第8-25日 Vol.220  執金剛神を現じて爲に法を説く 【観世音菩薩普門品第二十五】(四十三~六十六行)



 
★★ きょうの謎!
 
その謎1:観世音菩薩は三十三身に化身することができるということで三十三観
     音の名でも一般に良く知られていると思いますが、実はこの観世音菩
     薩品でよく数えると三十五身あるようなのですが、どういうことでし
     ょうか?
 
その謎2:観世音菩薩の最後の化身の執金剛神とは、前品の妙音菩薩の雄姿の喩
     えとしての那羅延の堅固の身、つまり金剛力士のことでしょうか?
 
 
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■■第8-25日 Vol.220
 
 執金剛神を現じて爲に法を説く
 
  【観世音菩薩普門品第二十五】
   (四十三~六十六行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ムジンニ ボサツホトケ モウ  モウ   セソン  カンゼオンボサツ イカニ   コ  シャバセカイ
 無盡意菩薩、佛に白して言さく、世尊、觀世音菩薩は伝何してか此の娑婆世界
 
  アソ  イカニ   シュジョウ タメ ホウ ト  ホウベン チカラソ ジイカン ホトケ ムジンニボ
 に遊び、伝何してか衆生の爲に法を説く、方便の力其の事云何。佛、無盡意菩
 
 サツ ツ      ゼンナンシ  モ コクド シュジョウ  ブッシン モッ トクド   モノ
 薩に告げたまわく、善男子、若し國土の衆生あつて佛身を以て得度すべき者に
 
   カンゼオンボサツスナワ ブッシンゲン  タメ ホウ ト  ビャクシブツミ  モッ トクド
 は、觀世音菩薩即ち佛身を現じて爲に法を説き、辟支佛の身を以て得度すべき
 
 モノ   スナワ ビャクシブツミ ゲン  タメ ホウ ト  ショウモン ミ モッ トクド   モノ
 者には、即ち辟支佛の身を現じて爲に法を説き、聲聞の身を以て得度すべき者
 
    スナワ ショウモンミ ゲン  タメ ホウ ト  ボンノウ ミ  モッ トクド   モノ
 には、即ち聲聞の身を現じて爲に法を説き、梵王の身を以て得度すべき者には、
 
 スナワ ボンノウミ ゲン  タメ ホウ ト  タイシャク ミ  モッ トクド   モノ  スナワ
 即ち梵王の身を現じて爲に法を説き、帝釋の身を以て得度すべき者には、即ち
 
 タイシャク ミ ゲン  タメ ホウ ト  ジザイテン ミ モッ トクド   モノ   スナワ ジ
 帝釋の身を現じて爲に法を説き、自在天の身を以て得度すべき者には、即ち自
 
 ザイテン ミ ゲン  タメ ホウ ト  ダイジザイテン ミ モッ トクド   モノ  スナワ
 在天の身を現じて爲に法を説き、大自在天の身を以て得度すべき者には、即ち
 
 ダイジザイテン ミ ゲン タメ ホウ ト  テンダイショウグン ミ モッ トクド   モノ
 大自在天の身を現じて爲に法を説き、天大將軍の身を以て得度すべき者には、
 
 スナワテンダイショウグン ミ ゲン タメ ホウ ト   ビシャモン ミ モッ トクド   モノ
 即ち天大將軍の身を現じて爲に法を説き、毘沙門の身を以て得度すべき者には、
 
 スナワ ビシャモン ミ ゲン  タメ ホウ ト  ショウオウ ミ モッ トクド   モノ   スナワ
 即ち毘沙門の身を現じて爲に法を説き、小王の身を以て得度すべき者には、即
 
  ショウオウ ミ ゲン  タメ ホウ ト チョウジャ ミ モッ トクド   モノ   スナワ チョウ
 ち小王の身を現じて爲に法を説き、長者の身を以て得度すべき者には、即ち長
 
 ジャ ミ ゲン  タメ ホウ ト  コジ  ミ モッ トクド   モノ   スナワ コジ
 者の身を現じて爲に法を説き、居士の身を以て得度すべき者には、即ち居士の
 
 ミ ゲン  タメ ホウ ト   サイカン ミ モッ トクド   モノ   スナワ サイカン ミ
 身を現じて爲に法を説き、宰官の身を以て得度すべき者には、即ち宰官の身を
 
 ゲン  タメ ホウ ト  バラモン  ミ モッ トクド   モノ   スナワ バラモン ミ
 現じて爲に法を説き、婆羅門の身を以て得度すべき者には、即ち婆羅門の身を
 
 ゲン  タメ ホウ ト  ビク  ビクニ  ウバソク  ウバイ ミ  モッ トクド  モノ
 現じて爲に法を説き、比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の身を以て得度すべき者
 
    スナワ ビク ビクニ  ウバソク  ウバイ  ミ ゲン  タメ ホウ ト  チョウジャ
 には、即ち比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の身を現じて爲に法を説き、長者・
 
 コジ  サイカン バラモン ブニョ ミ  モッ トクド   モノ  スナワ ブニョ ミ ゲン
 居士・宰官・婆羅門の婦女の身を以て得度すべき者には、即ち婦女の身を現じ
 
  タメ ホウ ト  ドウナン ドウニョ ミ モッ トクド   モノ   スナワドウナン ドウニョ
 て爲に法を説き、童男・童女の身を以て得度すべき者には、即ち童男・童女の
 
 ミ ゲン  タメ ホウ ト   テンリュウ ヤシャ ケンダツバ アシュラ  カルラ   キンナラ
 身を現じて爲に法を説き、天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・
 
 マゴラガ  ニン ヒニントウ ミ モッ トクド   モノ   スナワ ミナコレ ゲン  タメ ホウ
 摩候羅伽・人・非人等の身を以て得度すべき者には、即ち皆之を現じて爲に法
 
  ト  シュウコンゴウシン モッ トクド   モノ  スナワ シュウコンゴウシンゲン  タメ ホウ ト
 を説き、執金剛神を以て得度すべき者には、即ち執金剛神を現じて爲に法を説
 
 
 く。
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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無盡意菩薩は、更に釈迦佛に尋ねました、世尊さま、觀世音菩薩はどうしてこの
 
娑婆世界に遊説し、どのようにして衆生の為に法を説くのでしょうか、方便の力
 
によるその佛事はどういうものなのでしょう。佛は、無盡意菩薩に告げられた、
 
善男子よ、もし国土の中の衆生に対して佛身を用いて得度(とくど:迷っている
 
者へ悟りの境地を得させる)すべき者には、觀世音菩薩即ち佛身を現じてその者
 
の為に法を説き、辟支佛の身を用いて得度すべき者には、即ち辟支佛の身を現じ
 
てその者の為に法を説き、聲聞の身を用いて得度すべき者には、即ち聲聞の身を
 
現じてその者の為に法を説き、梵王の身を用いて得度すべき者には、即ち梵王の
 
身を現じてその者の為に法を説き、帝釋の身を用いて得度すべき者には、即ち帝
 
釋の身を現じてその者の為に法を説き、自在天の身を用いて得度すべき者には、
 
即ち自在天の身を現じてその者の為に法を説き、大自在天の身を用いて得度すべ
 
き者には、即ち大自在天の身を現じてその者の為に法を説き、天大將軍の身を用
 
いて得度すべき者には、即ち天大將軍の身を現じてその者の為に法を説き、毘沙
 
門の身を用いて得度すべき者には、即ち毘沙門の身を現じてその者の為に法を説
 
き、小王の身を用いて得度すべき者には、即ち小王の身を現じてその者の為に法
 
を説き、長者の身を用いて得度すべき者には、即ち長者の身を現じてその者の為
 
に法を説き、居士の身を用いて得度すべき者には、即ち居士の身を現じてその者
 
の為に法を説き、宰官の身を用いて得度すべき者には、即ち宰官の身を現じてそ
 
の者の為に法を説き、婆羅門の身を用いて得度すべき者には、即ち婆羅門の身を
 
現じてその者の為に法を説き、比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の身を用いて得度
 
すべき者には、即ち比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の身を現じてその者の為に法
 
を説き、長者・居士・宰官・婆羅門の婦女の身を用いて得度すべき者には、即ち
 
婦女の身を現じてその者の為に法を説き、童男・童女の身を用いて得度すべき者
 
には、即ち童男・童女の身を現じてその者の為に法を説き、天・龍・夜叉・乾闥
 
婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・摩候羅伽・人・非人等の身を用いて得度すべき者
 
には、即ち皆之を現じてその者の為に法を説き、執金剛神を用いて得度すべき者
 
には、即ち執金剛神を現じてその者の為に法を説くのだ。

  
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回、佛から觀世音菩薩の名号を受持することによる無量無辺の福徳の利を聞い
た無盡意菩薩は、更に佛に尋ねました、
 
「世尊さま、觀世音菩薩はどのようにしてこの娑婆世界に遊説し、どのようにし
て衆生の為に法を説いているのでしょうか、方便の力によるその佛事はどのよう
なものなのでしょうか」と。
 
佛は、次のように長々羅列して觀世音菩薩の不可思議で特殊な説法の有りさまを
無盡意菩薩に告げられましたが、その觀世音菩薩自身は変身術を用いて多種さま
ざまな衆生の種類に応じた姿に身を変える手法で、方便して衆生を救済している
らしいのです。
それでは観世音菩薩は一体何種類に変身するのか、しっかり数を数えながら一気
に読んでみましょう!
 
「善男子よ、もし国土の中に居る衆生に対して佛身を用いて得度しなければなら
ない者が居れば、觀世音菩薩は即ち佛身(1)を現じてその者の為に法を説き、
 
辟支佛の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち辟支佛(2)の
身を現じてその者の為に法を説き、
 
聲聞の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち聲聞(3)の身を
現じてその者の為に法を説き、
 
梵王の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち梵王(4)の身を
現じてその者の為に法を説き、
 
帝釋の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち帝釋(5)の身を
現じてその者の為に法を説き、
 
自在天の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち自在天(6)の
身を現じてその者の為に法を説き、
 
大自在天の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち大自在天(7)
の身を現じてその者の為に法を説き、
 
天大將軍の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち天大將軍(8)
の身を現じてその者の為に法を説き、
 
毘沙門の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち毘沙門(9)の
身を現じてその者の為に法を説き、
 
小王の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち小王(10)の身
を現じてその者の為に法を説き、
 
長者の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち長者(11)の身
を現じてその者の為に法を説き、
 
居士の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち居士(12)の身
を現じてその者の為に法を説き、
 
宰官の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち宰官(13)の身
を現じてその者の為に法を説き、
 
婆羅門の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち婆羅門(14)
の身を現じてその者の為に法を説き、
 
比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の身を用いて得度しなければならない者に対して
は、即ち比丘(15)・比丘尼(16)・優婆塞(17)・優婆夷(18)の身
を現じてその者の為に法を説き、
 
長者・居士・宰官・婆羅門の婦女の身を用いて得度しなければならない者に対し
ては、即ちそれら婦女(19~22)の身を現じてその者の為に法を説き、
 
童男・童女の身を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち童男(23)
・童女(24)の身を現じてその者の為に法を説き、
 
天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・摩候羅伽・人・非人等の身を
用いて得度しなければならない者に対しては、即ち皆之(25~34)を現じて
その者の為に法を説き、
 
執金剛神を用いて得度しなければならない者に対しては、即ち執金剛神(35)
を現じてその者の為に法を説く、と言っています。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:観世音菩薩は三十三身に化身することができるということで三十三観
     音の名でも一般に良く知られていると思いますが、実はこの観世音菩
     薩品でよく数えると三十五身あるようなのですが、どういうことでし
     ょうか?
 
その謎2:観世音菩薩の最後の化身の執金剛神とは、前品の妙音菩薩の雄姿の喩
     えとしての那羅延の堅固の身、つまり金剛力士のことでしょうか?
 



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法華経 序品第一

 

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8-25

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コメント: 3
  • #1

    安田 和正 (土曜日, 24 1月 2015 14:01)

    観世音菩薩の変身できる数は、三十三身それとも三十五身?

  • #2

    ぶっけん (火曜日, 25 8月 2015 12:04)

    「観世音菩薩の変身は、実は三十五身」

  • #3

    ぶっけん (月曜日, 25 12月 2017 15:15)

    【国の中央から現れて因果の縁を解決する】
    観世音菩薩とはその名を呼べば国中どんな所へも三十三種の変身に扮して即座に救済に飛んでくる都会に住む金剛力士のような菩薩のようです。
    都会とは即ち国の中央であり、ローカルだけで活動していると思えて実は都会からやってきていた観世音菩薩だったのです。
    実際はかなり古代から存在したという観世音菩薩が手っ取り早く新しい時代用の新鋭な菩薩のように感じられますが、縁起が良いというか、因果解決とは国の縁(ふち)にこそあったと考えさせられます。
    しかし、現在ではその活躍の影を潜めているのは何と言っても地方分権により地方力士こそが地方全般に有力な勢力を保持し出したからではないのかと思えてくるのです。
    地方分権の時代こそ観世音菩薩の時代の再来かと思えていましたが、実は逆に地方分権こそ観世音菩薩にとっては全く活動の場を失う新しい不利な時代の到来だったように思えてくるのです。

    (ぶっけん成安田)