第8-12日 Vol.208  時に天王佛般涅槃の後、正法世 【提婆逹多品第十二】(三十五~三十九行)

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★★ きょうの謎!
 
その謎1:正法世に住すること二十中劫とは、提婆達多が滅後にも住しているということで

     しょうか?
 
その謎2:提婆達多の般涅槃後に起つ七宝の塔とは多宝佛の塔と同じようなものでしょう

     か?
 
その謎3:衆生が阿羅漢果を得たり、辟支佛(縁覚)を悟ったり、菩提心を起こし不退転に

     住するのは、提婆達多の寿命期間も滅後の正法期間も衆生の目指す修行内容は変

     わらないということでしょうか?
 
 
 
■■第8-12日  Vol.208
 
 時に天王佛般涅槃の後、正法世
 
  【提婆逹多品第十二】
  (三十五~三十九行)
 
■■今日の一偈一句
 
 トキ テンノウブツハツネハン ノチ ショウホウヨ ジュウ     チュウコウゼンシン シャリ  ポウ トウ
 時に天王佛般涅槃の後、正法世に住すること二十中劫、全身の舎利に七寶の塔
 
  タ    タカ  ユジュン ジュウコウ ユジュン   ショテン ニンミンコトゴ ザッケ マッコウ
 を起てて、高さ六十由旬、縱廣四十由旬ならん。諸天・人民悉く雜華・抹香・
 
 ショウコウ ズコウ エブク ヨウラクドウバン ホウガイギガク カジュ モッ  ポウ ミョウトウ ライハイ
 燒香・塗香・衣服・瓔珞・幢旛・寶蓋・伎樂・歌頌を以て、七寶の妙塔を禮拝
 
  クヨウ    ムリョウ シュジョウアラカンガ エ ムシュ シュジョウビャクシブツサト  フカシギ
 し供養せん。無量の衆生阿羅漢果を得、無數の衆生辟支佛を悟り、不可思議の
 
 シュジョウボダイシンオコ  フタイテン イタ
 衆生菩提心を發して不退轉に至らん。
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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時を過ぎて天王佛が般涅槃した後、正法の世に住すること二十中劫の間、全身の
 
舎利を納めた七宝の塔を起てて、その高さは六十由旬、縦横四十由旬となるであ
 
ろう。諸天や人民はことごとく雑華・抹香・焼香・塗香・衣服・瓔珞・幢旛・宝
 
蓋・技楽・歌頌を用いて、七宝の妙塔を禮拝し供養するのである。それにより無
 
量の衆生は阿羅漢果を得、無数の衆生は辟支佛を悟り、不可思議なほどの衆生は
 
菩提心を起こして不退転に至るのである。
  
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回、釈迦は諸々の四衆に対し、釈迦が過去世で修行を教わった提婆達多が無量
劫の後に天王如来として成佛すると教えました。
その天王如来は二十中劫の間、世に住しながら広く衆生のために妙法を説き、恒
河沙数の衆生は阿羅漢果を得、無量の衆生は縁覚の心がけを起こし、恒河沙数の
衆生は無上道の心を起こして無生法忍を得、不退転に住するということでした。
 
さて今回は、天王佛がこの世で二十中劫の間、広く妙法を説いた後、時は天王佛
が般涅槃に至った後の正法に変わった新たな二十中劫の間のことです。
いよいよ天王佛の遺骨を納めるために七宝の塔が建てられ、その高さは六十由旬
で、縦横は四十由旬になるそうです。
 
そして諸天や人民はことごとく雑華・抹香・焼香・塗香・衣服・瓔珞・幢旛・宝
蓋・技楽・歌頌を用いて、七宝の妙塔を禮拝し供養するのだそうです。
そうやって礼拝・供養することにより無量の衆生は阿羅漢果を得、無数の衆生は
辟支佛を悟り、不可思議で計り知れないほどの衆生は菩提心を起こして不退転に
至るということです。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:正法世に住すること二十中劫とは、提婆達多が滅後にも住していると
     いうことでしょうか?
 
その謎2:提婆達多の般涅槃後に起つ七宝の塔とは多宝佛の塔と同じようなもの
     でしょうか?
 
その謎3:衆生が阿羅漢果を得たり、辟支佛(縁覚)を悟ったり、菩提心を起こ
     し不退転に住するのは、提婆達多の寿命期間も滅後の正法期間も衆生
     の目指す修行内容は変わらないということでしょうか?
 


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コメント: 1
  • #1

    ぶっけん成安田 (火曜日, 12 12月 2017 09:15)

    〈天上世界は欲望の世界〉

    人間世界の上には天上世界という神々の住む世界があるとされています。
    仏教ではその天上界とは欲望を主に支配する世界であると説いています。
    つまり、天上界の諸天神はこの世の欲望に関する絶対権限を持って住んでいるというのです。
    その神々は欲望そのものを咎めているわけではなくて、この世の欲望の在り方を審査し個々に差別化しているのです。
     
    ところで、神々にも無数の種類が存在しています。
    この世の生き物のすべて種類には各々個々に別々な神が宿っているとも考えられます。
    そして、それらの無数の神々を更に総合的に支配しているのが創造神、或いは破壊神といわれる天上界においても優れものとしてトップレベルの地位にある神様なのです。
     
    宇宙の神に創造の神と破壊の神が存在しているように神の世界では仲良く共存というよりも常に競い合って時には激しい争いを起こし神同士の勝ち負けを決めているようなのです。
    それを仏教では神々による欲望支配の世界といっているのだと思います。
     
    仏教においても仏様だけがこの世を治めているのではなく、通常は欲望世界である天上界がほとんどこの世の欲望の動きを支配しているのです。
    ですから、この世のすべてを創造したという創造神やそれに付随する仏様たちの影響力とは、実際のこの世の日常的にはかなり薄いものなのかもしれません。
    よって、私たちの日常は天上界に支配された管理下において様々な自主的な欲望により、時には破壊的な利益すらも平然と大きな動きを生じていても何ら不思議とは言えないことなのです。
     
    そんな不思議でもないとんでもなく住み辛くなった世の中で常の安全を祈るなら創造神の慈悲と仏様の知恵を授かることを常に信じなければならないのです。
     
    (ぶっけん成安田)