第6-12日 Vol.152  王とは則ち我が身是れなり 【提婆逹多品第十二】(二十五~二十九行)

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■■第6-12日 Vol.152
 
 王とは則ち我が身是れなり
 
  【提婆逹多品第十二】
  (二十五行~二十九行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ホトケモロモロ ビク ツ       ソ トキ オウ  スナワ ワ ミ コ    トキ センニン
 佛諸 の比丘に告げたまわく、爾の時の王とは則ち我が身是れなり。時の仙人とは
 
 イマ ダイバダッタ コ   ダイバダッタ ゼンチシキ ヨ  ユエ   ワレ    ハラミツ  ジヒ
 今の提婆逹多是れなり。提婆逹多が善知識に由るが故に、我をして六波羅蜜・慈悲
 
 キシャ  サンジュウニソウ  シュゴウ シマコンジキ ジュウリキ ムショイ   ショウボウ  フグ ジンヅウ
 喜捨・三十二相・八十種好・紫磨金色・十力・四無所畏・四攝法・十八不共・神通
 
 ドウリキ グソク     トウショウガクジョウ ヒロ シュジョウ ド    ミナダイバダッタ ゼンチ
 道力を具足せしめたり。等正覺を成じて廣く衆生を度すること、皆提婆逹多が善知
 
 シキ ヨ   ユエ
 識に因るが故なり。
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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佛は諸々の比丘に告げられた、その時の王とはすなわち我が身のことである。その時
 
の仙人とは今の提婆逹多なのである。提婆逹多が善知識(ぜんちしき:善良な友人)
 
であるが故に、我に対して六波羅蜜・慈悲喜捨(じひきしゃ:四無量心のことで、慈
 
は与楽であり相手の幸福を望む心、悲は抜苦であり苦しみを除いてあげたいと思う心、
 
喜は他者の幸福を共に喜ぶ心、捨は差別しないで平然と接してあげる心)・三十二相
 
・八十種好・紫磨金色(しまこんじき:紫色した最高質の金の色)・十力(じゅうり
 
き:佛に備わる十種の智力)・四無所畏・四攝法(ししょうぼう:布施・慈愛の言葉
 
・利他の行為・他人との協力の四つ)・十八不共(じゅうはちふぐ:不共とは共通で
 
ない意味であり、佛と菩薩のみにあり他には共通しない十八種の能力の特色)・神通
 
道力を具足せしめたのである。我が等正覺を成就して広く衆生を済度できることも、
 
皆提婆逹多が善知識である因果が理由である。
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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偈を説いた後、佛は諸々の比丘に告げられたのです。
仙人のもとで修行した王とは即ち釈迦自身であるということと、その時のその仙人と
は今の提婆達多の本人であるということでした。
 
提婆達多はとても善き友人であり、善なる知識へ導いてくれる思いやりある指導者で
あったのです。
その善知識により王であった釈迦へ、六波羅蜜・慈悲喜捨・三十二相・八十種好・紫
磨金色・十力・四無所畏・四攝法・十八不共・神通道力を完備させてくれたのでした。
 
それにより釈迦は等正覚を成就して広く衆生を救済できているのも、これは皆、提婆
達多が善き指導者であってくれた為であると伝えました。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:提婆達多は善知識だったと釈迦は言ってますが、善知識とは善良な友人の
     意味ということから、友人と知識とはどういう関係なのでしょうか?
 
その謎2:等正覺と阿耨多羅三藐三菩提は同じものでしょうか?
 
 
 



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コメント: 3
  • #1

    安田 和正 (月曜日, 10 11月 2014 23:57)

    私なども初めて法華経を実際に読んでみるまではわからないことでしたが、この法華経はとてもハードボイルドなタッチで描かれているという印象を初めて知ったのでした。

  • #2

    ぶっけん (木曜日, 12 10月 2017 08:52)

    提婆達多品第十二は法華経の中に後で付け加えられたものらしいですが、提婆達多の教え自体はかなり古い時代から存在していたのが現実らしいです
    西暦以降の時代の急変に対しハードボイルドタッチな要素を迫られる緊迫感を感じずにいられません、これはまるで時代の復活だったのです
    これはやはりいつまでも終わらない、時として急激に蘇ってくる錯覚というエネルギーが常に存在しているのだと思います
     
    1950年頃のアメリカ作家レイモンド・チャンドラーが生み出した架空の私立探偵フィリップ・マーロウの言葉として世に知られる名セリフ『タフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない』は全く相反する矛盾する要素が交差している時代の深刻さそのものですね
    決して計算式では真実に至ることはなく、単に一時的な目安となる計算値が逆に現実に錯覚が発生している真実への感覚反応を失わせているのです
    今一瞬の光を見逃さない、釈迦がこの提婆達多品第十二の中で、昔仙人であって恐れられてきた提婆達多のことを善知識であると言って一目も二目も置いています
    その善知識とは善き友人という意味があり、前世の釈迦にとっての善き友人が提婆達多だったのであり、釈迦に対する思いやりある誘導者でもあったのです
    その後、提婆達多は教団組織の連携を乱した主導者と言われているらしいですが、多くの教団員は善知識である提婆達多を錯覚していることが伝えられているのかもしれません
    (ぶっけん成安田)

  • #3

    ぶっけん成安田 (木曜日, 12 10月 2017 10:47)

    お釈迦様にも友情の付き合いがあったことが愛情の存在よりもあまり知られていない