★★ きょうの謎!
その謎1:窮子が偶然にも父の居る所へ辿り着くということはどういう因果が生じていたの
でしょうか?
その謎2:窮子が覗き見た父の光景に、窮子自身は幼い頃の父の面影を感じることはなかっ
たのでしょうか?
その謎3:窮子は、元の生まれついた家に帰りたいと思う気持ちは、それまでに全く生じな
かったのでしょうか?
■■第6-4日 Vol.144
展轉して父の舍に遇い到りぬ
【信解品第四】
(二十八~三十四行)
■■今日の一偈一句
セソン ソ トキ グウジ ユウニンテンデン チチ イエ ア イタ モン ホトリ ジュウリュウ ハル
世尊、爾の時に窮子、傭賃展轉して父の舍に遇い到りぬ。門の側に住立して遥
ソ チチ ミ シ シ ユカ コ ホウキ アシ ウ モロモロ バラモン セツリ
かに其の父を見れば、師子の牀に踞して寶几足を承け、諸 の婆羅門・刹利・
コジ ミナクギョウ イニョウ シンジュヨウラク ケジキセンマン モッ ソ ミ ショウゴン リ
居士、皆恭敬し圍繞せり。眞珠瓔珞の價直千萬なるを以て其の身を莊嚴し、吏
ミン ドウボクテ ビャクホツト サ ウ ジリュウ オオ ホウチョウ モッ モロモロ ケバン
民・僮僕手に白拂を執つて左右に侍立せり。覆うに寶帳を以てし諸 の華旛を
タ コウスイ ジ ソソ モロモロ ミョウケ サン ホウモツ ラレツ スイヌイシュヨ カク ゴト
垂れ、香水を地に灑ぎ衆 の名華を散じ、寶物を羅列して出内取與す。是の如
ラ シュジュ ゴンジキ イトクトクソン
き等の種種の嚴飾あつて威徳特尊なり。
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1. 今 日 の 解 読 ! (苦)
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世尊、その時に窮子は、日雇い賃金を稼ぎながら住所を転々として父の家の前に
偶然至ったのでした。門の傍らにたたずみ遠くの奥にその父を見れば、師子の床
座に安楽に横たわり寶几(ほうき:金銀で飾られた足を休める台)に足を預け、
諸々の婆羅門僧・刹利(せつり:王侯貴族、武士階級)・居士(こじ:資産階級
の商工業者)などが、皆恭敬し圍繞していました。眞珠瓔珞(しんじゅようらく
:真珠の首飾り)で価値千萬はあるものでその身を荘厳し、吏民(りみん:役人)
・僮僕(どうぼく:召使いの少年)が手に白拂(びゃくほつ:虫払いの法具、ハ
タキ)を持って左右に侍立(じりゅう:付き従って立つ)していました。周囲を
覆うように宝帳(ほうちょう:垂れ幕を垂らして美しく飾りつけた調度あるいは
小部屋の類をさす)を巡らし諸々の華旛(けばん:華の旗)を垂れ、香水を床地
に流布して衆々の名華を散じ、宝物を陳列しては出し入れされ人に与えられてい
ます。これらのようなさまざまな厳飾があってその威徳の豪華さは特別に尊重な
ものでありました。
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2. 今 日 の 説 法 ! (集)
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窮子は多くの街や村を転々としてその日暮しの賃金を得ながら住む場所を変えて
いましたが、その時、偶然に父の家の前に至り着いたのでした。
その門の片隅に足が食い止り、たたずんで閑かにその門内を伺いますと、門から
奥深いかなり遠くにその父の様子が見えました。
師子座を偲ばす高床の座に身を安らげ金銀で宝飾された足台に両足を休ませ、そ
の周りを金持ちの僧侶や貴族武士、商工資産家などが恭敬して取り囲んでいまし
た。
真珠の首飾りで千萬の価値の物を身に付け荘厳し、役人や召使の少年が手に法具
の白払を持って左右に付き従って立っていました。
その豪華な邸室の内部は、美しく飾られた複数の小部屋で周囲が巡らされていて、
美しい華を想わす旗の幕が垂らされ、香水が床中に撒かれ、いろいろな名花が散
じられていて、宝物が陳列されている所から出し入れがされては人へ与えている
様子がわかりました。
このような数々のいろいろな厳飾があって、その威徳の豪華さは特別に気品の高
いものでありました。
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3. 今 日 の 謎 ! (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
その謎1:窮子が偶然にも父の居る所へ辿り着くということはどういう因果が生
じていたのでしょうか?
その謎2:窮子が覗き見た父の光景に、窮子自身は幼い頃の父の面影を感じるこ
とはなかったのでしょうか?
その謎3:窮子は、元の生まれついた家に帰りたいと思う気持ちは、それまでに
全く生じなかったのでしょうか?
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ぶっけん成安田 (水曜日, 04 10月 2017 10:20)
煩悩は怖いものでもあり正すきっかけを与えているものでもあります
煩悩を断ち切るのが一つの修行目標ですが、煩悩あるままにも達成する修行もあるのです
大きく世間を巻き込みながら進行する煩悩には最終的に真実の公表の段階を生ずるのです
真実は明かされることによってのみ正されるのです
(ぶっけん成安田)