第5-23日 Vol.135  香の六銖は價直娑婆世界なり 【薬王菩薩本事品第二十三】(二十~二十九行)


 
★★ きょうの謎!
   
その謎1:現一切色身三昧とは神力なのでしょうか、そしてその神力による供養ではまだ本

     当の供養になっていないと一切衆生喜見菩薩は感じたということでしょうか?
   
その謎2:一切衆生喜見菩薩は日月淨明徳佛の前で、焼身自殺をもって供養をしようとした

     のでしょうか?
 
  
■■第5-23日 Vol.135
   
 香の六銖は價直娑婆世界なり
 
 【薬王菩薩本事品第二十三】
 (二十~二十九行)
 
  
■■今日の一偈一句
 
 ソクジ コ サンマイ  イ   コクウ ナカ オイ  マンダラケ  マカマンダラケ  サイマツケンコク 
 即時に是の三昧に入つて、虚空の中に於て曼陀羅華・摩訶曼陀羅華・細抹堅黒
 
  センダン フ   コクウ ナカ  ミ  クモ ゴト   クダ  マタカイシガン センダン コウ
 の栴檀を雨らし、虚空の中に満てて雲の如くにして下し、又海此岸の栴檀の香
 
  フ    コ コウ ロクシュ ケジキシャバセカイ   モッ ホトケ クヨウ  コ  クヨウ ナ
 を雨らす。此の香の六銖は價直娑婆世界なり、以て佛に供養す。是の供養を作
 
  オワ   サンマイ  タ   ミズカ ネンゴン   ワレジンリキ モッ ホトケ クヨウ イエド
 し已つて、三昧より起つて、自ら念言すらく、我神力を以て佛を供養すと雖も
 
 ミ モッ  クヨウ    シ   スナワ モロモロ コウ センダン クンロク トロバ  ヒツリキカ
 身を以て供養せんには如かじ。即ち諸 の香・栴檀・薫陸・兜樓婆・畢力迦・
 
 ジンズイキョウコウ フク マタセンボク モロモロ ケコウユ  ノ   センニヒャクサイ マン オワ
 沈水・膠香を服し、又瞻蔔・諸 の華香油を飲むこと千二百歳を滿じ已つて、
 
 コウユ  ミ ヌ  ニチガツジョウミュトクブツミマエオイ  テン ホウエ モッ ミズカ ミ マト オワ
 香油を身に塗り、日月淨明徳佛の前に於て、天の寶衣を以て自ら身に纏い已つ
 
   モロモロ コウユ ソソ  ジンヅウリキガン モッ ミズカ ミ トモ  コウミョウアマネハチジュウオクゴウ
 て、諸 の香油を灑ぎ、神通力の願を以て自ら身を然して、光明遍く八十億恒
 
 ガシャ セカイ  テラ
 河沙の世界を照す。
 
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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そこで即時にこの三昧(現一切色身三昧)に入って、虚空の中に於て曼陀羅華・
 
摩訶曼陀羅華・黒くて堅い細抹の栴檀(せんだん:一種の香木)を雨らし、虚空
 
の中に満ち集められた雲を発生させるかのようにして降り、また海此岸(かいし
 
がん:センダン樹の一種)の栴檀の香を雨らせた。この香の六銖(ろくしゅ:重
 
さの単位で一銖は、0.67グラム)は價直(けじき:お金の価値、値段)娑婆
 
世界に等しい、この香を用いて佛に供養した。この供養を為し終わって、三昧よ
 
り起って、自ら念言を作した、我は神力を用いて佛を供養してきたといえども身
 
をもって供養する大切さには及ばない。そこで直ちに諸々の香・栴檀・薫陸(く
 
んろく:粉末にして香料にするインド・ペルシャ産の樹脂の化石)・兜樓婆(と
 
ろば:香りを出すインドの樹木)・畢力迦(ひつりきか:香りの花が咲くタイの
 
樹木)・沈水(じんずい:沈水香の略、香木の一種で木質が堅く重いので水に沈
 
む)・膠香(きょうこう:台湾や中国南部に分布するマンサク科のフウの成熟果
 
実を乾燥したもの、樹脂は楓香脂または白膠香ともいう、日本では公園や街路樹
 
として植えられていて、枝が風にゆれていい香りが漂うため楓香の名がある、ま
 
た1日3~6グラムを煎じる漢方薬)を服し、また瞻蔔(せんぼく:香油のとれ
 
るチャンパカ樹)・諸々の華香油を飲むこと千二百歳を満たし終わって、香油を
 
身に塗り、日月淨明徳佛の前に於て、天の宝衣をもって自ら身に纏い終わって、
 
諸々の香油を注ぎ、神通力の願をもって自ら身を燃やして燈し、その光明は遍く
 
八十億恒河沙の世界を照した。
       
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回のこの品では、法華経を聞くことのできるようになれるという現一切色身三
昧という三昧を萬二千歳を経てやっと得ることのできた一切衆生喜見菩薩の喜び 
を伝えていました。
   
前回の終わりに、日月淨明徳佛と法華経を供養すべしと宣言した一切衆生喜見菩
薩は、今回は、直ちにそのための準備を開始します。
その際に先ず、貴重にして得た現一切色身三昧に入りました。
   
そして、虚空の中に雲を発生させるかのように全力を尽くして、曼荼羅華・摩訶
曼荼羅華、そして栴檀を雨のように降らし、その中には海此岸、すなわち彼岸に
対し此岸の海の内陸名産の栴檀の香も混入して降らせたそうです。
   
その香の価値や値段としては、六銖(約4~11グラム程度)で娑婆世界の全土
を買えるくらい高価で貴重な香りだということです。
この高価で貴重な香りを用いて日月淨妙徳佛を供養し終わると、一切衆生喜見菩
薩は座して瞑想していた三昧から立ち上がって、自ら念言をしました。
   
「我は神力を用いて佛を供養したといえど、直接に我が身をもって供養すること
までにはまだまだ至れてない!」と。
   
すると、一切衆生憙見菩薩は直ちに今まで降らしていた諸々の香・栴檀などを自
らに服し、また瞻蔔等の香油を飲み干しました。
そして、千二百歳の歳月を満たし終わると、香油を自らの全身に塗り、日月淨明
徳佛の前で、天の宝衣を身に纏い、更に諸々の香油を宝衣の上から掛けて、神通
力の願をなして自らの身を燃やし燈したのでした。
   
そして、その燃える光明は隅々八十億恒河沙の世界を遍く照らしたのでありまし
た。
  
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
  
その謎1:現一切色身三昧とは神力なのでしょうか、そしてその神力による供養
     ではまだ本当の供養になっていないと一切衆生喜見菩薩は感じたとい
     うことでしょうか?
   
その謎2:一切衆生喜見菩薩は日月淨明徳佛の前で、焼身自殺をもって供養をし
     ようとしたのでしょうか?
 



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法華経 序品第一

 

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5-23

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コメント: 3
  • #1

    ぶっけん成安田 (土曜日, 23 9月 2017 09:21)

    【秋のお彼岸の中日】

    今日9月23日は秋分の日でありお彼岸の中日でもありますね
    この日は一年の中でも昼と夜の時間がほぼ等しくなる秋のお彼岸です
    今日の薬王菩薩品の一切衆生憙見菩薩は仏の供養のために彼岸と此岸の両方の香(美しい香りの煙を出す木の粉:お線香)を混ぜて飲み干し、香油(ローソク油)を飲み干し全身に塗り付け自ら身に火を灯ったのでした
    いわゆる哀しみの代表として焼身自殺を実行したに等しい供養の仕方だったのですが、その炎は永遠に灯り続けたそうです

    ところでこの一切衆生憙見菩薩は後の薬王菩薩として生まれ変わりましたが、不思議とこの菩薩だけは阿耨多羅三藐三菩提の法を得ることを自身の修行目的としていなかったようなのです
    仏教では阿耨多羅三藐三菩提の法を得ることが唯一の目標でありそれにより成仏に至れるとされています
    つまり、仏教の目的は成仏を達成することにあり、その唯一の方法として阿耨多羅三藐三菩提の法を得ることを目標にしているのです

    ところが、日本のほとんどの仏教寺院で阿耨多羅三藐三菩提を目指すという目標を設定して説法している所は無いと思えます
    つまり、ほとんどのお寺から阿耨多羅三藐三菩提というお経の中で一番多く使われている言葉すら聞いたことが今まで無かったように思えるのです
    どの寺のほとんどの檀家はただお線香をあげてローソクに火を灯す供養しか教えてもらっていないかのように思えます

    これは一体どういうことでしょう?
    法華経の薬王菩薩が自らの身体を燃やすことにより、自らの身体をお線香やローソクにして火を燈して供養したという伝説そのものだけを仏教のメイン行事にしているに過ぎないということに気付かれないでしょうか?
    これでは単に焼身自殺だけを祈っていると同じですね

    私たち日本の仏教志願者はいつになったら阿耨多羅三藐三菩提という唯一の修行言葉の存在に目覚める時がやって来るのでしょう?

    (ぶっけん成安田)

  • #2

    ぶっけん成安田 (土曜日, 23 9月 2017 09:30)

    薬王菩薩は阿耨多羅三藐三菩提よりも陀羅尼陀羅尼神呪を選択し戦うことを求めた宇宙大王の支持者だったようだ
    日本の武士がいかに戦いの戦士用のための寺院ばかりを重点的に設置して監理していたかが伺える

    (ぶっけん成安田)

  • #3

    NariYasu (木曜日, 23 5月 2019 17:10)

    お経は最初からじっくり読まず、速読から始めよう!