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第3-14日 Vol.70  云何なるをか親近處と名くる 【安楽行品第十四】(十~十八行)

安楽行品第十四 法華経

 
★★ きょうの謎!
   
その謎1:四法とは、釈迦佛の法なのでしょうか?
   
その謎2:行處・親近處は、なぜ規制法なのでしょう?
 
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■■第3-14日 Vol.70  
   
 云何なるをか親近處と名くる
 
 【安楽行品第十四】
 (十~十八行)
   
■■今日の一偈一句
 
 イ カ    ボサツマカサツ  シンゴンショ ナヅ  ボサツマカサツ  コクオウ オウジ ダイジン
 云何なるをか菩薩摩訶薩の親近處と名くる。菩薩摩訶薩、國王・王子・大臣・
 
 カンチョウ シンゴン   モロモロゲドウ ボンシ ニケンシトウ オヨ セゾク モンピツ サンヨウ ゲショ
 官長に親近せざれ。諸の外道・梵志・尼建子等、及び世俗の文筆・讃詠の外書
 
  ツク  オヨ ロカ ヤダ ギャクロカ ヤダ モノ シンゴン   マタモロモロ アラ  クケ ソウ
 を造る、及び路伽耶陀・逆路伽耶陀の者に親近せざれ。亦諸の有ゆる凶戲の相
 
 シャソウボク オヨ ナラトウ シュジュヘンゲンタワムレ シンゴン   マタセンダラ オヨ チョ ヨウ ケイ
 扠相撲、及び那羅等の種種變現の戯に親近せざれ。又旃陀羅、及び豬・羊・鶏
 
  ク ヤシナ デンリョウ ゴブ モロモロアクリツギ シンゴン   カク ゴト ヒトラアルトキ キタ
 ・狗を畜い畋獵・漁捕する諸の惡律儀に親近せざれ。是の如き人等或時に来ら
 
   スナワ タメ ホウ ト  ケモウ  トコロ    マタショウモン モト  ビク ビク ニ ウ
 ば、則ち爲に法を説いて稀望する所なかれ。又聲聞を求むる比丘・比丘尼・優
 
 バソク ウバイ  シンゴン   マタモンジン    モ  ボウチュウ オイ   モ キョウギョウ
 婆塞・優婆夷に親近せざれ、亦問訊せざれ。若しは房中に於ても、若しは經行
 
  トコロ モ  コウドウ ナカ ア    トモ ジュウシ   アルトキ キタ  ヨロ   シタガ
 の處、若しは講堂の中に在つても、共に住止せざれ。或時に來らば宜しきに随
 
   ホウ ト   ケグ  トコロ
 つて法を説いて希求する所なかれ。
              
    
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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どういうことを菩薩摩訶薩の親近處(しんごんしょ)というのか。菩薩摩訶薩は、
 
国王・王子・大臣・官長に親近してはならない。さまざまな外道(げどう:仏教
 
以外のインド哲学宗教)・梵志(ぼんし:神聖な知識を有する婆羅門経修行者)
 
・尼建子(にけんし:裸体で遊行する修行者の一派)等、及び世俗の文筆(もん
 
ぴつ:作詩などの書作家)・讃詠(さんよう:うた)の外書を造る、及び路伽耶
 
陀(ろかやだ:古代インドの唯物論者)・逆路伽耶陀(ぎゃくろかやだ:古代イ
 
ンドの非唯物論者)の者に親近してはならない。またさまざまの有りうるすべて
 
の凶戲(くけ:危険な戯れ、遊戯場)の相扠相撲(そうしゃそうぼく:棒を使う
 
拳闘、体ごと取り組む闘い)、及び那羅(なら:舞踏の半神)等の種種變現(へ
 
んげん:入れ墨を入れて身を変えた者など)の戯に親近してはならない。また旃
 
陀羅(せんだら:被差別民、混血人)、及び豬(ちょ:いのしし)・羊(よう:
 
ひつじ)・鶏(けい:にわとり)・狗(く:いぬ)を養い畋獵(でんりょう:狩
 
り)・漁捕(ごぶ:漁業)する諸々の惡律儀(あくりつぎ:ある時間を定めて行
 
う行為の中でも悪い事柄)に親近してはならない。このような人等が時に尋ねて
 
説法を求めに来たなら、その都度にそのために法を説いてあげても対価を求めて
 
はいけない。また聲聞を進求する比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷に親近してはな
   
らない、また問い質してはならない。それらの者と部屋の中に於ても、或いは経
 
の修行場、或いは講堂の中に在っても、一緒に過ごしてはならない。突然ある時
 
に尋ねてきたことでその者に応じた説法を説いてあげたとしても対価を求めては
 
ならない。
  
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回のこの品では、釈迦は、四法への安住の方法として先ず最初に、行處と親近
處の安住の仕方を提案しました。
つまり、四法という四つの方法があって、その方法の中に落ち着いて修行をする
というやり方のようです。
   
本来佛は、佛としての各々の法という独自の世界を持っていて、それを佛所護念
という形で、その佛の国に暮らす衆生がその佛の法の中に修行するということで
す。
   
ですから、もしかしたらこの四法への安住方法が釈迦の法といわれるものかとも
考えられますが、なんとなく、行處・親近處などは古くからすでに多くの佛が用
いてきているスタンダードな形のようで、釈迦は、そういう古典的で形式的な方
法の良さを四つほど集めてみて、とりあえず菩薩がこれから将来の状況をどう過
ごすかの疑問と不安を古きを温めることで菩薩自らに体得してみよと、例題を与
えているかのようにも思えます。
   
また、四法に安住せよということは、将来の後の悪世の世では無理やたらに活発
的な活動をしすぎるなという意味にも思えてきます。
それは、特に釈迦の弟子達はだいぶ過去の罪障があり、その罪障を改善できない
ままに、よく考えず単に先へ先へと無理やり進もうとする傲慢で我慢性がないこ
とを釈迦自身がよく知っているための計画的な苦肉に思える配慮とも思えてきま
す。
   
ところで、行處というものは、いわゆる行う所ですね。
そして、親近處とは親近する所ですね。
しかし、両者は、行ってはならない、親近してはならない、という否定形による
禁止事項を守らせて、自らを規制しながら修行する場所をいっているようです。
  
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とりあえず、今回の親近處とはどういうものかを釈迦は説明していますが、親近
してはいけないという規制対象として先ず、国王・王子・大臣・官長を挙げてい
ますね。
   
これはどういうことなのでしょう?
法華経の内容全体から考えても、結構、さまざまな佛が各々に所属の国などを必
要不可欠な身近なものとして保有していますね。
そして、王佛といわれる王も兼ねているような佛もいますし、その他、現に今釈
迦から説かれている文殊師利菩薩すらも実際は法王子といわれていますね。
   
そういう国や王や王子などの格には近づくなと規制したところで、そのような特
に代表的な衆生と全く無関係に過ごすことは現実には有り得ないわけであり、精
々その者自身の精神面を仏教一途に構え、できる限りの集中したチャレンジを貫
かせようとするだけのことに思えます。
   
また次には、外道や世俗的な表現、戯れ、狩や漁を行う者にも親近するなとして
いますが、これもまた、そのような境遇にいる人こそ救済や適正な誘導を受けな
ければならないはずなのに、それらの者には救いの手を差し伸べることすらして
はならないと規制する意味は、ただ自分を大切にしなさいと言っているに過ぎな
い感じしかありません。
   
また、声聞になりたがる未熟修行者にも親近するなといってますが、声聞を選ば
させず菩薩になるように誘導する任務すら役割るなとする意味もまるでわかりま
せんし、佛と同様な指導や誘導はしてはならないということなのでしょうか。
   
釈迦の提唱する、このような四法とは、また安住とは、一体何であるかの不思議
な疑問を考えさせられるこの品です。
  
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:四法とは、釈迦佛の法なのでしょうか?
   
その謎2:行處・親近處は、なぜ規制法なのでしょう?
 


ご案内

法華経 序品第一

 

★★ 今日も、お読みいただきありがとうございました ★★
 
本日品の続き解明文、【今日の謎!シリーズの答え、解説など詳細満載】
 4. 今 日 の 知 識 !  (道) 5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
 6. 今 日 の 振 返 り ! (脱)
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