★★ きょうの謎!
その謎1:釈迦は、本心から驕曇弥に感じられる不信そうな様子へ疑問を懐いたのでしょうか?
その謎2:一切衆生喜見如來の號は、薬王菩薩の前身の一切衆生憙見菩薩の名となぜ同じなのでしょう?
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■■第3-13日 Vol.69
尊顏を瞻仰して目暫くも捨てず
【勧持品第十三】
(十二~二十一行)
■■今日の一偈一句
ソ トキ ホトケ イモ マカ ハジャハダイ ビクニ ガク ムガク ビクニ ニン トモ ザ
爾の時に佛の姨母摩訶波闍波提比丘尼、學・無學の比丘尼六千人と倶に、座よ
シカ タ シン ガッショウ ソンゲンセンゴウ メシバラ ス トキ セソン キョウドン
り而も起つて一心に合掌し、尊顏を瞻仰して目暫くも捨てず。時に世尊、驕曇
ミ ツ ナン ユエ ウレエ イロ ニョライ ミ ナンジココロ マサワレナンジ ナ
彌に告げたまわく、何が故ぞ憂の色にして如來を視る。汝が心に將に我汝が名
ト アノクタ ラ ミャク ボダイ キ サズ オモ ナ ヤ キョウドンミ ワレサキ
を説いて阿耨多羅三藐三菩提の記を授けずと謂うこと無し耶。驕曇彌、我先に
ソウ サイ ショウモン ミナスデジュキ ト イマナンジキ シ ホッ ショウライ
總じて一切の聲聞に皆已に授記すと説きき。今汝記を知らんと欲せば、將来の
ヨ マサ マン ノク ショブツホウ ナカ オイ ダイホッシ ナ オヨ ガク
世に當に六萬八千億の諸佛の法の中に於て大法師と爲るべし。及び六千の學・
ムガク ビク ニ トモ ホッシ ナ ナンジカク ゴト ゼンゼンボサツ ドウグ マサ
無學の比丘尼も倶に法師と爲らん。汝是の如く漸漸に菩薩の道を具して、當に
サブツ ウ サイシュジョウキケンニョライ オウグ ショウヘンチミョウギョウソクゼンゼイ セ
作佛することを得べし。一切衆生喜見如來・應供・正遍知・明行足・善逝・世
ケンゲ ムジョウジジョウゴジョウブテンニンシ ブツ セソン ナヅ
間解・無上士・調御丈夫・天人師・佛・世尊と號けん。
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1. 今 日 の 解 読 ! (苦)
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その時に釈迦の姨母(いも・おば・母の姉妹)の摩訶波闍波提比丘尼(マカハジ
ャハダイビクニ)は、学・無学の比丘尼六千人と共に、座よりそのまま起立して
一心に合掌し、真剣な面持ちで見上げるとそのまま目をじっと向けたままでした。
その状態に世尊は、驕曇彌(キョウドンミ)に告げました、どうして優れない顔
色をして如來を見つめる。汝が心の中にまさか我れが汝の名を挙げて阿耨多羅三
藐三菩提の記を授けないと思う疑いがあるはずはない。驕曇彌よ、我は先にまと
めて一切の声聞たちに皆すでに授記をすると説いているはずです。とりあえず今
すぐにも汝が授記の内容を知りたいのだとすれば、将来の世に必ず六万八千億の
諸佛の法の中に於て大法師となるのです。また六千人の学・無学の比丘尼たちも
共に法師となるでしょう。汝はこのようにして段々に菩薩の道を身に付け、必ず
や作佛するよう決意しなさい。その名は一切衆生喜見(いっさいしゅじょうきけ
ん)如來・應供・正遍知・明行足・善逝・世間解・無上士・調御丈夫・天人師・
佛・世尊(にょらい・おうぐ・しょうへんち・みょうぎょうそく・ぜんぜい・せ
けんげ・むじょうじ・じょうごじょうぶ・てんにんし・ぶつ・せそん)です。
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2. 今 日 の 説 法 ! (集)
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前回では、五百人の阿羅漢弟子衆や八千人の学・無学の声聞弟子衆が、各々に異
国、他国へ行ってこの経を説くと言い出していました。
今回は、その時に釈迦の姨母すなわち母方のおばさんに当たる摩訶波闍波提比丘
尼が学・無学の六千人の比丘尼らと共に、座より同時に起って合掌し、真剣その
ものに釈迦をじっと見つめたまま何やら不安げに疑っているように釈迦には思え
たようです。
釈迦は、その姨母らの妙な状態に対し、どうしたのかと驕曇弥(摩訶波闍波提の
別称)に尋ねました。
そして、釈迦は、姨母らへ、ひょっとしたら唯一、阿耨多羅三藐三菩提を受けれ
ないとでも思って疑っているいるはずもあるまいと言い、釈迦としては以前すで
に八千人の声聞弟子などと共に姨母らも含めて授記すると約束していたはずであ
ると説明しました。
実はこの八千人の授記のことは、私も前回のこの品のところで説明していました
ね。
わかりにくいところですので、もう一度説明しますと、この八千人の授記とは、
最初は学無学人記品第九にて二千人の声聞弟子が先ず授記を得ました。次に提婆
逹多品第十二の最後のほうで更に三千人の衆生が不退転に住し、また三千人の衆
生が授記を得ました。
そして、この品にては、すでに授記済みの学・無学の八千人が他国へ行ってこの
経を説くことを誓言したと記されていますね。
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つまり、この他国へ行くと誓言した八千人の学・無学人の中に姨母などの比丘尼
六千人も含まれていることを釈迦は説明しているのでしょう。
つまり、学無学人記品で授記された最初の二千人の授記から、この品ではいきな
り八千人の学無学が授記をすでに得ていると記されているのは、この最終合計の
八千人から最初の二千人を差し引いた六千人が姨母を首とする比丘尼の集団の意
味としているものと思われます。
この経緯を調べてみますと、その比丘尼六千人とは、提婆逹多品の最後に書かれ
ている不退転者と授記者の合計六千人のことではないかと思います。
しかし、これらの経緯の計算値は、あえて曖昧な匂わしのように思えるのであり、
姨母らの現状通りに、はっきりどの辺りで授記されたかという実証がつきにくい
ようにあえてプログラムされているようでおかしな所でもあるようです。
そして、更に釈迦は一方的に続けて驕曇弥に告げます。
もしも今すぐに授記を知りたいのであれば、その内容とは、驕曇弥は将来、先ず
大法師となると釈迦は予言しました。
そして、今引き連れている六千人の学無学の比丘尼の集団も姨母と共に法師とな
るのだと教えました。
そして、更にその後、そのようにして徐々に菩薩の道を極めて行き、いつか、一
切衆生喜見如來という名で成佛すると予言を与えました。
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3. 今 日 の 謎 ! (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
その謎1:釈迦は、本心から驕曇弥に感じられる不信そうな様子へ疑問を懐いた
のでしょうか?
その謎2:一切衆生喜見如來の號は、薬王菩薩の前身の一切衆生憙見菩薩の名と
なぜ同じなのでしょう?
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ぶっけん成安田 (日曜日, 12 3月 2017 14:57)
「一念三千」の一念は一つの今の心と書く。
即ち、「一日三千」とすれば、丁度28日(品)で「八万四千」の値に等しい。
ぶっけん成安田 (月曜日, 13 3月 2017 11:03)
釈迦の叔母や妻たちまで他国へ出て行くと言い出したことが、釈迦は不満を起こし困惑をしたように思えるのですが、今になってなぜか正しい判断だったように思えてきました。
ぶっけん成安田 (月曜日, 13 3月 2017 18:18)
古典的、一日一語をかみしめよう!