★★ きょうの謎!
その謎1:娑婆世界から異国や他国へ出ると言い出した修行者たちに関する勸持
品と更に安楽行品などとの関係はどうなっているのでしょうか?
その謎2:釈迦や他の如來が皆、大神力を用いて、私たちの住む欲界の衆生たち
を恐れさせ戒めさせること自体が救済なのでしょうか?
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■■第2-21日 Vol.49
広長舌を出し、無量光を放つ
【如來神力品第二十一】
(五~十一行)
■■今日の一偈一句
ソ トキ セソン モンジュシリトウ ムリョウ マンノク クジュウシャバセカイ ボサツマカサツ オヨ
爾の時に世尊、文殊師利等の無量百千萬億の舊住娑婆世界の菩薩摩訶薩、及び
モロモロ ビク ビクニ ウバソク ウバイ テン リュウ ヤシャ ケンダツバ アシュラ カル
諸 の比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・天・龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦樓
ラ キンナラ マゴラガ ニン ヒニントウ サイ シュ マエ オイ ダイジンリキゲン
羅・緊那羅・摩候羅伽・人・非人等の一切の衆の前に於て、大神力を現じたも
コウチョウゼツイダ カミボンゼイタ サイ モウク ムリョウムシュシキ ヒカリ ハナ
う。廣長舌を出して上梵世に至らしめ、一切の毛孔より無量無數色の光を放つ
ミナコトゴトアマネ ポウセカイ テラ モロモロホウジュゲ シシザジョウショブツ マタマタ
て、皆悉く遍く十方世界を照らしたもう。衆の寶樹下の獅子座上の諸佛も亦復
カク ゴト コウチョウゼツ イダ ムリョウ ヒカリ ハナ
是の如く、廣長舌を出し、無量の光を放ちたもう。
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1. 今 日 の 解 読 ! (苦)
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その時に世尊は、文殊師利などの無量・百・千・万・億人の古くから元々は娑婆
世界に住んでいた菩薩摩訶薩、及び諸々の比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷・天・
龍・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・摩候羅伽・人・非人などの一切の
大衆の前において、大神力をお現しになられた。広くて長い舌を伸ばし出され上
方の梵天までに到達させ、全身すべての毛の穴から無量・無数の色彩の光を放っ
て、すべてことごとく隅々まで十方の世界を照らされたのである。大衆の宝樹の
下の佛の王座上に居る諸佛もまた同じように、広く長い舌を伸ばし出し、無量の
光を放ったのであった。
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2. 今 日 の 説 法 ! (集)
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文殊師利などの菩薩摩訶薩は、古くはこの娑婆世界の出身だったということが、
ここで舊住(くじゅう:古くから元々住んでいる)娑婆世界の菩薩摩訶薩という
ことからわかってきます。
これら文殊師利等の菩薩は古くはこの娑婆世界に住んでいたわけですが、おそら
く修行が進むにつれて出世間という、一旦この娑婆世間を出ていった者たちなの
ではないでしょうか?
そこで、勸持品のところでは阿羅漢弟子などもこぞって娑婆世界から出て他国・
異国へ行くと言い出した因果になっているのかもしれません。
そして、勸持品の次の安楽行品において、文殊師利が釈迦に対し密かに外へ出て
行くという阿羅漢弟子たちを今後どのように菩薩修行させたらよいかと尋ねてい
るところに何か解明のヒントが見えてきそうに思えます。
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ところで、その娑婆世界での釈迦如來の登場に、かつての娑婆世界の菩薩たちも
皆戻り帰って集っていたと考えてみましょう。
そして、今の娑婆世界の民衆たちと帰って来た菩薩たちが混じり合って大衆をな
している前で、釈迦は大神力を現したのではないかということです。
その大神力の現し方として、広長舌といって、佛特有のとても広くて長い舌を出
してみせるという不思議な事前演出を行っています。
その広くて長い舌はどんどん伸び、上方の梵世に至ったということです。
この梵世とは、梵天という創造神が住んでいる世界のことですね。
なお、梵天は創造神の一つであって、娑婆世界という欲界の主ともいわれていま
す。
ただし、梵天は三界でいうと、欲界の上にある色界の中の初禅天に属しています。
<Wikipedia:「三界」で検索、図表参照>
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天というのは天上界のことでもありますが、そこに住む天王その者には、大きく
区分すると欲天と禅天とがあるのです。
そして、欲天は六欲天という天上界の一番下に位置する欲界に住む天であり、三
十三天(刀利天)、四大天王、兜率天などです。
つまり、欲天は、私たちの住む欲界の支配王者たちなのです。
梵天の住む所が梵世ですが、梵世が色界の初禅天の位置でもあります。
なお、欲界の上の色界には初禅天から四禅天までの位が四段階層になっていて、
下の欲界頂上部のすぐ上にある段階が色界の初禅天なのです。
また、梵天は、欲界刀利天の主である帝釈天と同等かつ相対する関係にあるとも
いわれているそうですが、これもとても大事な判断になる重要なヒントだと思い
ます。
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釈迦の広長舌はその梵世まで伸びたといいますから、人間界の上の六欲天を更に
越えた辺りの、色界の初禅天まで届いたということですね。
それから釈迦は、全身のすべての毛穴から発散するように無量・無数の鮮やかな
光を発したのですが、それらの大神通の現し方を他の諸佛もまた皆同じく儀礼様
式かのように行なったのです。
その無量光を発するのが大神力だと思いますが、その無量光を発するエネルギー
源がひょっとすると欲界にはないということで、天上界の中の色界まで舌を伸ば
して取り入れるという事前儀式がセットされているようです。
まるで、欲界に湧いた無数な羽虫が上方の色界の光に群がっていくところを、舌
を延ばして、舐めるように取り入れているような、とても気味の悪い奇怪なしぐ
さに思えますね。
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3. 今 日 の 謎 ! (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
その謎1:娑婆世界から異国や他国へ出ると言い出した修行者たちに関する勸持
品と更に安楽行品などとの関係はどうなっているのでしょうか?
その謎2:釈迦や他の如來が皆、大神力を用いて、私たちの住む欲界の衆生たち
を恐れさせ戒めさせること自体が救済なのでしょうか?
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ぶっけん (木曜日, 21 5月 2015 13:36)
『グローバリゼーションとローカリゼーション』
ぶっけん (木曜日, 20 10月 2016 21:02)
グローバルとローカルが共に連動して正しく組み合わされてこそ初めてグローバリゼーションが素晴らしく発揮されるのではないか?
ぶっけん成安田 (木曜日, 21 2月 2019 09:14)
お釈迦様が広く長い舌を伸ばしてすべての世界へ自身の存在と真実を知らしめようとしています。それも現代で言えばグローバリゼーションの動きですね。
ところで、今日の如来神力品とは釈迦が遂に真実の教えを公表した後、その裏付けの信頼性と共にいよいよ大衆からのお釈迦様への期待力が大詰めな確定に迫った段階で、お釈迦様自身が他の諸仏と共に思い切り全世界へ大神通力を発揮してアピールをするという場面なのです。
つまり、お釈迦様が真実の教えを普及させる力にも計画と段階があり、それが集大成され最終的な完成段階を披露するのがグローバリゼーションな手段であるということです。
教えを広める者にとってお釈迦様が実行した計画と段階を知ることはとても重要です。
お釈迦様は教える手段として最初からグローバリゼーションを用いたのではなく、着実に先ず身近な者たちへの不信感をどのように取り除くかについて一旦は地道な時間を費やしました。そのためには方便手段と言ってその場の者たちの考えに合わせて教えを説くというやり方です。これはすべての者たちへ一斉に説く真実の教えとは違うものなのであり、これがグローバリゼーションに対するローカリゼーションと言える動きなのでしょう。
そのように最初のローカリゼーションからグローバリゼーションの完成へと地道に進歩して行くものであり、最初からのグローバリゼーションでは成り立たないということなのでしょう。まず最初はローカリゼーションでの不備を解決するということが物事の達成のためには的確に重要であるということを段階的な教えの中に気付かせているように思います。