第12-23日 Vol.324  而るに今臂を燒いて身具足したまわず 【薬王菩薩本事品第二十三】(六十九~七十七行)

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★★ きょうの謎!
 
その謎1:一切衆生憙見菩薩は意外な世話を焼き過ぎたことでしょうか?
   
その謎2:一切衆生憙見菩薩の突飛な思い付きの行動能力は感動というより意味不

     明な驚きというところでしょうか?
 
   
■■第12-23日  Vol.324 
 
 而るに今臂を燒いて身具足したまわず
 
  【薬王菩薩本事品第二十三】
  (六十九~七十七行)
   
■■今日の一偈一句     
   
 ソ トキ モロモロ ボサツ  テン ニン アシュラトウ  ソ ヒジ   ミ ウノウヒアイ    コ
 爾の時に諸 の菩薩・天・人・阿修羅等、其の臂なきを見て憂惱悲哀して、是
 
  コトバナ    コ イッサイシュジョウキケンボサツ コ ワレラ  シ ワレ キョウケ    モノ
 の語を作さく、此の一切衆生憙見菩薩は是れ我等が師、我を敎化したもう者な
 
   シカ  イマヒジ ヤ  ミグソク      トキ イッサイシュジョウキケンボサツ ダイシュ ナカ
 り。而るに今臂を燒いて身具足したまわず。時に一切衆生憙見菩薩、大衆の中
 
  オイ コノセイゴン タ  ワレフタ  ヒジ ス  カナラ マサ ホトケコンジキ ミ ウ    モ
 に於て此誓言を立つ、我兩つの臂を捨てて必ず當に佛の金色の身を得べし。若
 
  ジツ   ムナ       ワ フタ  ヒジ  ゲンプク    モト ゴト
 し實にして虚しからずんば、我が兩つの臂をして還復すること故の如くならし
 
    コ チカイ ナ  オワ ジネン ゲンプク   コ ボサツ フクトク チエ  ジュンコウ
 めん。是の誓を作し已つて自然に還復しぬ。斯の菩薩の福徳・智慧の淳厚なる
 
  ヨ   イタ トコロ  ソ トキ  アタ サンゼンダイセンセカイロクシュ シンドウ  テン  ホウケ
 に由つて致す所なり。爾の時に當つて三千大千世界六種に震動し、天より寶華
 
  フ    イッサイ テン ニン ミゾウウ     ウ
 を雨らして、一切の天・人未曾有なることを得。 
    
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   1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に諸々の菩薩・天・人・阿修羅等、その一切衆生憙見菩薩の臂がないのを
 
見て心を砕いて悲哀して、この言葉を示した、この一切衆生憙見菩薩はこれ我等
 
が師である、我を教化してくれた者である。それなのに今臂を焼いて身体具足し
 
ておられない。瞬時に一切衆生憙見菩薩は、大衆の中に於てこの誓言を立てた、
 
我は両二本の臂を捨てでも必ず見事に佛の金色の身体を得て見せよう。もしこれ
 
が真実にして虚実でないこととすれば、我がこの両二本の臂をもって元通りに還
 
せることを実証の如く試して見せよう。この誓を示し終わって自然に元通りに還
 
らしめたのであった。この菩薩の福徳と智慧の淳厚(じゅんこう:人柄などが素
 
朴で、人情に厚いこと)なるによってこそ到れる境地であった。その時にあたっ
 
て三千大千世界は六種に震動し、天より宝華を雨らして、一切の天・人は真に未
 
だ曾て有ること未然なることを得たのだった。
   
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   2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回、急に涅槃に入られた日月淨明徳佛の舎利を供養する為、八万四千の塔を起
てた一切衆生憙見菩薩はその時に自身の心を問い詰めました。
『我はこのように供養を行なったといえども、自身の心はなお未だ満足できてな
い、我は今まさに佛の遺骨を更に供養すべきだ』
 
そして、一切衆生憙見菩薩は一切の大衆に呼び掛けました。
『汝等よまさに一心に念ずるのだ、我今これから日月淨明徳佛の遺骨を供養する』
この言葉を言い終わると、ただちに八万四千の塔の前に於て、百福に荘厳された
自身の腕の臂を燃やし始めてその後、七万二千年をかけて供養を捧げたのでした。
 
そして無数に居る声聞を目指す大衆や無量阿僧祇の計り知れない数の人々に対し
て、阿耨多羅三藐三菩提の心を起こさせ、皆を現一切色身三昧の取得を目指す修
行を得させたのでした。
 
今回は、一切衆生憙見菩薩が八万四千の塔の前で自分の両腕の臂を燃やし続けて
七万二千年が経った時、諸々の菩薩・天・人・阿修羅等はその一切衆生憙見菩薩
の臂が無いことを見て心を砕くように悲しんで、次の言葉を投げ掛けました、
 
「ここに観る一切衆生憙見菩薩はこれ我等に阿耨多羅三藐三菩提の心を起こさせ
た師であり、我を教化してくれた者である。されど今臂を焼いてその身体満足に
具足していないではないか」
 
その掛け声を聞くと瞬時に一切衆生憙見菩薩は、大衆の中に於て次の誓言を立て
たのでした、
「我は両腕の臂を捨ててでも必ずまさに佛の金色の身体を得てみせる。もしこれ
が真実にして嘘でなければ、我が両腕の臂そのものが還って復すること元通りに
なるだろう」
 
この誓いをなし終わって自然に還って元の通りに復されたのでした。
これは、この菩薩の福徳・智慧の人柄の素朴さなるによって致せる所であったと
いうことです。
その時にあたって三千大千世界は六種に震動し、天より宝華を雨らして、一切の
天神・人間は今までかつて有り得ない未然たることを得たのでした。
   
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   3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:一切衆生憙見菩薩は意外な世話を焼き過ぎたことでしょうか?
   
その謎2:一切衆生憙見菩薩の突飛な思い付きの行動能力は感動というより意味
     不明な驚きというところでしょうか?
 


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法華経 序品第一

 

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 4. 今 日 の 知 識 !  (道) 5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
 6. 今 日 の 振 返 り ! (脱)
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コメント: 2
  • #1

    ぶっけん (火曜日, 28 4月 2015 18:19)

    『本事は一度だけでない、世話を焼く男であったのだ』

  • #2

    ぶっけん成安田 (土曜日, 22 4月 2017 11:15)

    自分の体を傷つけて仏の供養に捧げるという行いが、この薬王菩薩本事品では尊いものとして描かれているのです。
    ところで、それは確かにおかしい教えではないのかと思えるでしょうね。

    しかしこの品では、それでも薬王菩薩の前身の一切衆生憙見菩薩の深い悲しみに対する思い切った行為に対して、仏同様に大地は大きく振動し、天からは宝の華を降らして褒め称えたのでした。

    これはやはり、あの世からのメッセージが、あなたはお元気ですか?よりも、あなたはどう思いますか?と問いかけているのが現実だったのではないでしょうか?