第12-4日 Vol.307  其の父、子を見て愍んで之を怪しむ  【信解品第四】(五十三~五十八行)

法華経 信解品第四

 
★★ きょうの謎!
   
その謎1:父である長者が窮子に対しすぐに実の子であることを打ち明けないのは

     なぜでしょう?
 
その謎2:父の長者にとって、窮子から伺える餓えに耐えるほどの今までの貧困な

     生活経験は面を食らうほど解からない暮らし感覚なのでしょうか?
 
 
■■第12-04日  Vol.307 
 
 其の父、子を見て愍んで之を怪しむ
 
  【信解品第四】
  (五十三~五十八行)
 
■■今日の一偈一句
 
 トキ フタ  ツカイビトスナワグウジモト    ス デ コレ エ ツブ  カミ ジ ノ  ソ
 時に二りの使人即ち窮子を求むるに、既已に之を得て具さに上の事を陳ぶ。爾
 
  トキ グウジマ ソ アタイ ト    ツ  トモ アクタ ハラ  ソ チチ コ  ミ カナシ
 の時に窮子先ず其の價を取つて、尋いで興に糞を除う。其の父、子を見て愍ん
 
  コレ アヤ   マタタジツ モッ マ ド ナカ  ハルカ コ  ミ ミ   ルイシュショウスイ
 で之を怪しむ。又他日を以て窓導の中より、遙に子の身を見れば、羸痩憔悴し、
 
 フンドジンボンワエフジョウ  スナワ ヨウラク サイナン ジョウブクゴンジキグ ヌ   サラ ソヘイ
 糞土塵扮汗穢不淨なり。即ち瓔珞・細軟の上服・嚴飾の具を脱いで、更に麁弊
 
 ク ニ コロモ キ ジンド ミ ケガ  ミギテ ジョフン ウツワ シュウジ  オソ  トコロ
 垢膩の衣を著、塵土に身を穢し、右の手に除糞の器を執持して、畏るる所ある
 
  カタド  モロモロ サニン  カタ  ナンダチゴンサ  ケソク     ウ   ナカ
 に状れり。諸 の作人に語らく、汝等勤作して懈息すること得ること忽れと。
 
    
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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時すぐに二人の使い人はただちに窮子の所を訪ね労働のことを求めると、素直に
 
了解を得て具体的に先の仕事のことを説明した。その時に窮子は先にその賃金を
 
受け取って、すぐにも共に屎尿を掃除する就労を始めた。その父は、子の姿を見
 
て心痛んでこの不遇を疑った。又他日になっても邸宅の窓の内側より、遥かに子
 
の身を見れば、羸痩憔悴(るいしゅしょうすい:疲れ切ってはなはだしくやつれ
 
細る)し、屎尿と塵をかぶり汗にまみれ穢れて極めて不衛生な環境であった。長
 
者は遂に見ていられなくなり瓔珞・きめ細かい仕立ての上服・厳飾のはき物を脱
 
いで、更に麁弊垢膩(そへいくに:粗くしなびて垢や油に汚れた)の衣を身に付
 
けると、塵土に身を擦って汚し、右の手に屎尿掃除の器をしっかりと持って、近
 
づくに恐れる所あるように装った。そして諸々の作業人に声をかけた、汝等はし
 
っかりと勤労し続けて決して怠けて休みたいなどと考えてはならないと。
  
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回、長者は元の里の暮らしへ帰って行った窮子をどうして誘い引きとめておき
たいと願って、そのために方便を組み立てて、密かに二人の見るからに容姿顔色
がやつれて威徳のない者を呼び寄せて、その計画を打ち合わせました。
 
長者は、その使い人の二人に上手く窮子に近づいて行き、やっとの思いに見せ掛
けて話しかけてくるようにと指図しました。
その話の内容は、窮子に対し今までの暮らしの倍額の賃金で雇いたいと誘い、も
し承諾したなら、そのまますぐにも率いて働かせるのだと、そして窮子がもしど
ういう仕事かと尋ねたなら、屎尿を汲み取る掃除だが、自分たちも一緒に働くか
らと、上手く誘うように指示したのでした。
 
今回、さっそく二人の使い人は即座に窮子の所へ訪問し、すでに長者と打ち合わ
せて来た作戦を飲み込んでいて詳細にその通りのことを窮子に陳べ始めました。
 
するとその時に窮子は先ずその場で賃金を受け取ると、すぐにもその日から一緒
に屎尿の清掃仕事を始めました。
その窮子の父は、働き出した子を見ては憐れんでこの切ない境遇を信じたくない
思いになりました。
 
それから何日か過ぎて父が窓の内側から、遙かに子の姿を見ると、労務に疲れて
気も虚ろにやせ細りながら、排便の塵をかぶり汗みどろに汚れて不衛生極まりな
い様子でした。
父は居てもたっても居られずすぐに身から宝飾を外すと細工に仕立てた上質の服
と厳飾のはき物を脱ぎ捨てると、更に粗末にしなびて垢や油で汚れた衣服を身に
纏い、それから汚れた土に身ごと擦り付けて穢すと、右の手に屎尿掃除の手桶を
しっかり握り持って、恐る恐る近づくかのように装いました。
 
そして諸々の作業人へ話しかけました、
「汝等よ勤労に作業して怠けて休んではいないな」と。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:父である長者が窮子に対しすぐに実の子であることを打ち明けないの
     はなぜでしょう?
 
その謎2:父の長者にとって、窮子から伺える餓えに耐えるほどの今までの貧困
     な生活経験は面を食らうほど解からない暮らし感覚なのでしょうか?
 

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法華経 序品第一

 

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 4. 今 日 の 知 識 !  (道) 5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
 6. 今 日 の 振 返 り ! (脱)
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コメント: 3
  • #1

    安田 和正 (日曜日, 05 4月 2015 00:04)

    『佛には如來であってほしくない声聞大弟子たちの願い』

  • #2

    ぶっけん (土曜日, 03 12月 2016 21:04)

    大弟子の自慢作として、釈迦に捧げたというこの喩え話は、じっくり読むとどうも偶然性に見せかけただけで、鋭いひっかけがあるような、実際には辻褄の合わないシナリオに私には思えてならないのです。

  • #3

    ぶっけん成安田 (水曜日, 04 4月 2018 15:02)

    大弟子たちは師匠のお釈迦さまに対し特別な褒美を当てにしていたのでしょうか?
    大弟子たちは自ら、計り知れない大金持ちと想定したお釈迦様の所へ偶然に修行に入った貧困な家出人の身であるという喩え話をお釈迦様に披露しました。
    ところで、その後その家出人の大弟子たちが貰った実際の褒美とは現物の豪華な金品などではなく、遠い将来、一人一人が辺り一面に目の眩むほど多くの財宝で出来ている豪華な国に住む仏に成れるという夢のような予言だったのです。