第11-10日 Vol.287  況んや滅度の後をや 【法師品第十】(五十九~六十三行)

法華経 法師品第十

 
★★ きょうの謎!
 
その謎1:この法華経は「已に説き今説き當に説かん」の多く釈迦の所持する経典

     のうち、當に説かん、つまりこれから當に初めて説く経典ということで

     しょうか?
 
その謎2:この法華経を諸佛はどうして祕要の蔵にして、昔より未だかつて顯説を

     しなかったのでしょう?
 
その謎3:「況んや滅度の後をや」の況んや、つまり言うまでもない意味とは、如

     來の滅後のほうが現在より怨嫉が多くなるからということでしょうか?
 
 
■■第11-10日  Vol.287
 
 況んや滅度の後をや
 
  【法師品第十】
  (五十九~六十三行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ソ トキ ホトケ マタヤクオウボサツマカサツ  ツ       ワ ショセツキョウデン ムリョウセンマンノク 
 爾の時に佛、復藥王菩薩摩訶薩に告げたまわく、我が所説の經典、無量千萬億
 
     スデ ト イマト  マサ ト   シカ ソ ナカ オイ  コ ホケキョウモット コ ナン
 にして、已に説き今説き當に説かん。而も其の中に於て此の法華經最も爲れ難
 
 シンナンゲ   ヤクオウコ キョウ コ ショブツ ヒヨウ ゾウ   フンプ  ミダ  ヒト ジュヨ
 信難解なり。藥王此の經は是れ諸佛の祕要の藏なり。分布して妄りに人に授與
 
       ショブツセソン シュゴ    トコロ  ムカシ  コノカタイマ カツ ケンゼツ
 すべからず。諸佛世尊の守護したもう所なり。昔より已來未だ曾て顯説せず。
 
 シカ コ キョウ ニョライ ゲンザイ ナ  オンシツオオ  イワ  メツド ノチ
 而も此の經は如來の現在すら猶お怨嫉多し、況んや滅度の後をや。

 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に佛は、再度薬王菩薩摩訶薩に告げられた、我が所説している経典は、無
 
量千万億の多種であり、すでに説いたもの今説いているものこれから必ずや説く
 
ものとがある。しかもその中に於てこの法華経は最もこれ難信で難解である。薬
 
王よこの経はこれ諸佛の祕要の蔵であるからだ。配布してみだりに人に授け与え
 
てはならない。この経は諸佛世尊の守護しておられる所である。昔よりこのかた
 
未だかつて説き顕わされてはいない。しかもこの経は如來の現に存在している今
 
すらなおも怨嫉(おんしつ:拒否、否定する人)多し、況んや(いわんや:言う
 
までもなく、ましてや、なおさら)滅度の後のことである。
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回まで、釈迦は偈に於て薬王菩薩へ、法華経を受持することの重要な意味につ
いて、ただ一劫の中に於ても受持する心の在り方の善し悪しは大功徳と大罰とに
大きく左右されることになると説き、それ故に八十億劫に於ても、持経者に対し
て最高を心掛ける素晴らしい供養し続けなさいと薬王菩薩へ命じたのでした。
 
そして、釈迦が所説する数多くの経典あれど、しかもこれらの経の中に於て、法
華こそ最も第一なのであると説いて、その偈を終わりました。
 
そして今回、釈迦は再び薬王菩薩摩訶薩に告げられたのです。
釈迦自身の所説の経典は無量千万億もあり、過去に説いたもの、今説いているも
の、そして将来これから必ず説くことになるものがあるそうです。
そしてその中でもこの法華経は最も信じ難くて理解し難いものだそうです。
 
釈迦は薬王、と改めて呼びかけて更に説きました。
この経はこれこそが諸佛の祕要の蔵なのだそうです。
ですから、分け配布してむやみに人に授与してはいけないのだそうです。
 
これは諸佛世尊の守護していらっしゃる所であるからだそうです。
昔からこのかた未だかつて顕わには説くことがなかったのだそうなのです。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:この法華経は「已に説き今説き當に説かん」の多く釈迦の所持する経
     典のうち、當に説かん、つまりこれから當に初めて説く経典というこ
     とでしょうか?
 
その謎2:この法華経を諸佛はどうして祕要の蔵にして、昔より未だかつて顯説
     をしなかったのでしょう?
 
その謎3:「況んや滅度の後をや」の況んや、つまり言うまでもない意味とは、
     如來の滅後のほうが現在より怨嫉が多くなるからということでしょう
     か?
 


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法華経 序品第一

 

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11-10

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コメント: 2
  • #1

    安田 和正 (月曜日, 09 3月 2015 22:53)

    『呪わしきは滅度の後をや』

  • #2

    ぶっけん成安田 (土曜日, 10 3月 2018 21:44)

    日本の親鸞聖人は他力本願を大切に説いていました。
    ところで他力とは一体何でしょう?
    多く勘違いしやすいのは単に人同士の義理や人情による他人が与えてくれる手助けのことと思い込んでいるということではないでしょうか?
    つまり、他力とは同じ人間の力以外である他の力と考えたほうがきっと解かり易いのではないかと思います。
     
    だから、人間は根本的には自力だけによる生き物だと私は思います。
    また、それに対し、他力だけの生き物も居るとしたらその代表例はすでに滅んだ恐竜のような生き物ではないかと思うのです。
    それは、なぜ恐竜は氷河期に全滅したかと考えれば、その原因は食糧不足のみならず急激な環境変化、即ちそれまでにない新しい他力の変化に全く裏切られた形だったと思うのです。
    つまり、自力パワーがほとんどないからすでに古い他力パワーが新しく急変した他力パワーに一気に追随できなくなっていったのだと思うのです。
    その点で、新しい急変の他力に対応できたのは元々自力パワーの優れた生き物だけだったと考えられるわけです。
     
    また、恐竜の骨などが現代まで何故そのまま遥か時代を超えて残っているかの不思議も、他力中心だった生き物ならではと考えられるのです。
    それはどうしてかと言いますと、恐竜の化石などは火山の溶岩や通常の岩石などに等しく、特に他力エネルギーによる強い刺激や応力を受け続けることにより変形したままいつまでも残りやすい物質になっていることと類似しているからだと思うのです。
     
    (ぶっけん成安田)