第11-9日 Vol.286  甘露をもつて灌がるるが如し 【授学無学人記品第九】<本品最終回>(六十九~七十二行)

法華経 授学無学人記品第九

 
★★ きょうの謎!
 
その謎1:学・無学の二千人への授記は皆が一同に同じ名號の佛として、その寿命

     一劫など、佛の待遇としては僅かのようですが特に不満には思わないの

     でしょうか?
 
その謎2:甘露をもって灌がれる思いであるとは、これからの厳しい覚悟の宣言と

     は違い、釈迦はとても賢い智慧を教えてくれたという、皆で和んだ気持

     ちなのでしょうか?
  
 
■■第11-9日  Vol.286
 
 甘露をもつて灌がるるが如し
 
  【授学無学人記品第九】<本品最終回>
  (六十九~七十二行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ソ トキ ガク ムガク ニセンニン ホトケ ジュキ キ        カンギユヤク   ゲ 
 爾の時に學・無學の二千人、佛の授記を聞きたてまつりて歡喜踊躍して、偈を
 
 ト  モウ
 説いて言さく
 
  セソン  エ トウミョウ  ワレジュキ ミコエ キ        ココロ カンギジュウマン
  世尊は慧の燈明なり 我授記の音を聞きたてまつりて 心に歡喜充滿せるこ
  
    カンロ     ソソ
  と 甘露をもつて灌がるるが如し


 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に学・無学の二千人は、佛の授記を聞きたてまつりて歓喜踊躍して、偈を
 
説いて申し上げた
 
 世尊は慧(え:心理を明らかに知る力)の燈明(とうみょう:灯火)なり 我
 
 は授記の御音を聞きたてまつりて 心に歓喜が漲ってくることは 甘露(かん
 
 ろ:中国古来伝説の天から降ってくるという甘い液体、不死の効能があると伝
 
 えられる諸神の飲料、ありがたい真心)をもって流しかけられるが如し
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回、釈迦は阿難に問いかけて、この会中の学・無学の声聞二千人に一斉に授記
を施した義について重ねて宣べるため次の偈を説きました。
 
 この二千の声聞は、今我が前に於て住立しているが、一人残らず皆に記を与え
 授く
 これらは未來にまさに成佛するのだ 各々が十方の国に於て、すべての者が同
 じく宝相という一名号である
 国土及び弟子、正法と像法などすべての者が等しくして異なることは無い
 すべての者が諸々の神通を用いて、十方の衆生を済度し、その名聞は普く知れ
 渡り、やっと涅槃に入るのである
 
今回は、すでに釈迦の授記を受け、偈を聞いた時、学・無学の二千人は歓喜して
踊り上がって、偈を説いて申し上げました。
 
 世尊は真実を明確に知るための燈火です 我らは受記の御声をお聞きしまして
 
  心に歓喜がみなぎる想いは 甘露を用いてそそがれるようであります 
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:学・無学の二千人への授記は皆が一同に同じ名號の佛として、その寿
     命一劫など、佛の待遇としては僅かのようですが特に不満には思わな
     いのでしょうか?
 
その謎2:甘露をもって灌がれる思いであるとは、これからの厳しい覚悟の宣言
     とは違い、釈迦はとても賢い智慧を教えてくれたという、皆で和んだ
     気持ちなのでしょうか?
 


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法華経 序品第一

 

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11-9

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コメント: 5
  • #1

    安田 和正 (日曜日, 08 3月 2015 23:15)

    『意外さが基本スタイルの声聞授記』

  • #2

    ぶっけん (水曜日, 09 11月 2016 12:21)

    日ごろ重要となる山への入り口は、一番すそ野の末広がり末端にあるとばかりは限らない。
    唯一の入り口の在処とは、底辺さらに中央部、或いはピラミッドであれば、高さ方向中央部付近が入り口という事だろう。

  • #3

    ぶっけん (水曜日, 09 11月 2016 12:34)

    この品の謎は、地位の下克上を釈迦があっせんしたという事への疑問です。
    釈迦の弟子阿難や息子羅候羅は未だ就学中の声聞地位だと思います。
    その声聞クラスばかりに将来成仏の予言授記を先に約束し、声聞より上級階の菩薩へはなぜ授記を与えてくれないのかという不満を新発意(新人)の菩薩たちは思ったのです。
    この説明は釈迦にとっても、理解させるにはちょっと苦しいようです。

  • #4

    ぶっけん (水曜日, 09 11月 2016 14:00)

    釈迦は弟子阿難を菩薩地位より先に成仏授記を与えることにより、阿難に新発意の菩薩たちを教化させると言っていますね。
    ところで、声聞や縁覚には利他の精神が欠けている、よって、仏の直接の侍者としての使いに用いることで、仏の代わりに菩薩を教化させることにより、いずれ声聞・縁覚が成仏を成就していく状況を菩薩たちが囲繞し供養・尊重する役割が階級の仕組みなのでしょう。
    つまり、菩薩は元の精神が自立して完成している者であり、他へ対する敬いの心や礼儀作法に対する教化を受けるに値する堅固な身がすでに備わっているという事でしょう。

  • #5

    ぶっけん (金曜日, 09 3月 2018 09:54)

    法華経の中では、宗教に対する国はとても大切な存在のように描かれています。しかし、修行者たちへは国王・大臣などに親近を深めることはとても危険であるとも説かれているのです。
    また、不思議なことに家畜業者、漁師、娯楽などの社交性を煽る事業や論筆家などにも一切近づいてはならないという具体的な職業種類も記されています。

    いわば、特殊性のある職業などは皆、直接国の管理に属しているといえるのです。
    国とは国民同士の危害発生を予め防止し、その防止策に背く国民だけを取り押さえて一般国民と明確に区分することが主なる役割であり、それにより成り立っていると言っても良いでしょう。

    そのような意味から、国に背いていない一般国民だけで成り立っていることを宗教国家と言っても良さそうです。
    しかし、国家といえども国が単独に存在していることには変わりはありません。
    国が何であるかは国家である宗教の側から知ることが出来るでしょう。

    (ぶっけん成安田)