★★ きょうの謎!
その謎1:日月淨明徳佛の勅令には、滅後に若干千の塔を起つべしとあった事に対
し、一切衆生喜見菩薩の起てた八万四千の塔の数は何を意味しているの
でしょう?
その謎2:一切衆生憙見菩薩が佛の供養に海此岸の栴檀をこだわって用いるのは、
日月淨明徳佛が海や岸辺などに関係しているのでしょうか?
その謎3:滅度した佛身を火葬する場面は唯一ここだけに書かれているようです
が、これは珍しい特殊な供養の仕方なのでしょうか?
■■第10-23日 Vol.272
八萬四千の寶瓶を作り、八萬四千の塔を起てる
【薬王菩薩本事品第二十三】
(五十七~六十三行)
■■今日の一偈一句
カク ゴトニチガツジョウミョウトクブツイッサイシュジョウキケンボサツチョクオワ ヨ ゴブン オイ ネハン
是の如く日月淨明徳佛、一切衆生憙見菩薩に勅し已つて、夜の後分に於て涅槃
イ ソ トキ イッサイシュジョウキケンボサツホトケ メツド ミ ヒカンオウノウ
に入りたまいぬ。爾の時に一切衆生憙見菩薩、佛の滅度を見て、悲感懊惱して
ホトケ レンボ スナワ カイシガン センダン モッ ツミキ ナ ブッシン クヨウ
佛を戀慕したてまつり、即ち海此岸の栴檀を以て積と爲して、佛身を供養して
モッ コレ ヤ ヒキ イゴ シャリ シュウシュ ハチマンシセン ホウビョウ ツク
以て之を燒きたてまつる。火滅えて以後、舎利を收取し、八萬四千の寶瓶を作
モッ ハチマンシセン トウ タツ サンセカイ タカ ヒョウセツショウゴン モロモロ バン
つて、以て八萬四千の塔を起ること三世界より高く、表刹莊嚴して、諸 の旛
ガイ タ モロモロ ホウリョウ カ
葢を垂れ衆 の寶鈴を懸けたり。
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1. 今 日 の 解 読 ! (苦)
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このようにして日月淨明徳佛は、一切衆生憙見菩薩に勅令し終わって、深夜の後
分に於て涅槃に入られた。その時に一切衆生憙見菩薩は、佛の滅度を見て、悲感
・懊惱(おうのう:憂え悶える)して佛を恋慕したてまつり、直ちに海此岸の栴
檀(せんだん:一種の香木)を用いて井桁積木となして、佛身を供養してその後
これを焼きはじめた。火滅えて以後、舎利を収取し、八萬四千の宝の壺を作って、
それを納める八萬四千の塔を起てること三世界(さんぜかい:三界)より高く、
表刹(ひょうせつ:傘葢の列)が荘厳して、諸々の旛葢(ばんがい:王者貴人な
どにさしけける傘の列)を垂らして衆々の宝の鈴を懸けていた。
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2. 今 日 の 説 法 ! (集)
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前回、日月淨明徳佛は、一切衆生憙見菩薩に告げたのでした。
「善男子よ、我は涅槃の時へ到った、滅盡の時が到来したのだ。汝は臥床を準備
し安らかに施してくれ、我は今夜にも間違いなく般涅槃するのだ」と。
そして更に、一切衆生憙見菩薩に命じました、
「善男子よ、我は佛法をもって汝に属累する。及び諸々の菩薩大弟子並びに阿耨
多羅三藐三菩提の法、また三千大千の七宝の世界・諸々の宝樹・宝臺、及び給侍
の諸天をもってことごとく汝に付属する。我が滅度の後、今有る遺骨をまた汝に
付属する。當にこれらを流布せしめ広く供養を設営するのだ、そのための若干数
にして千の塔を起てるのだ」と。
今回、日月淨明徳佛は一切衆生憙見菩薩に勅令した通り、その日の深夜の中間以
後に涅槃に入られたのでした。
一切衆生憙見菩薩は大いに悲しみ、憂え悶えるようにして佛を恋慕し、直ちに海
此岸栴檀という香木を集め井桁を組んで積木とし、佛身を供養するとその後に火
葬しはじめました。
火が滅した以降、舎利を収取すると、八万四千の宝の舎利瓶を作って、それを納
める八万四千の塔を起てること三界を超える高さに至らせました。
その塔は表刹荘厳し、諸々の旛葢を垂れ、衆々の宝の鈴を懸けていました。
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3. 今 日 の 謎 ! (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
その謎1:日月淨明徳佛の勅令には、滅後に若干千の塔を起つべしとあった事に
対し、一切衆生喜見菩薩の起てた八万四千の塔の数は何を意味してい
るのでしょう?
その謎2:一切衆生憙見菩薩が佛の供養に海此岸の栴檀をこだわって用いるのは、
日月淨明徳佛が海や岸辺などに関係しているのでしょうか?
その謎3:滅度した佛身を火葬する場面は唯一ここだけに書かれているようです
が、これは珍しい特殊な供養の仕方なのでしょうか?
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安田 和正 (月曜日, 23 2月 2015 02:07)
佛塔には舎利(遺骨)を供養するか、経巻を供養するか。
ぶっけん (土曜日, 22 10月 2016 21:55)
なかなかはっきりしない仏と菩薩との約束事。
答えは釈迦仏の説く順序と経過のシステム。
ぶっけん (金曜日, 23 2月 2018 10:00)
【薬王菩薩本事品第二十三】
(五十七~六十三行)
今日は上弦の月です。半月が進行方向へ弓の上弦を向けて西の地平線へ沈んで行きます。
何とも中途半端な半月ゆえに心が揺さぶられ無闇にも闘志だけが掻き立てられるのかもしれませんね。
今日の薬王菩薩も結果は中途半端ながらも最大の闘志を示して涅槃に入った仏を焼くことで供養をし、供養塔を8400建てました。
今日は二月の二十三夜。これが二十三夜塔の云われになっているかもしれません。
(ぶっけん安成)