第10-8日 Vol.258  多聞にして智慧ありと現じ 【五百弟子受記品第八】(五十一~五十六行)

法華経 五百弟子受記品第八

 
★★ きょうの謎!
 
その謎1:説法するに、実際の一般の衆生は立派に良く見せようとする説法者の荘

     厳を嫌う傾向にあるということでしょうか?
 
その謎2:富楼那のような釈迦族の弟子たちは皆、説法するにはそれ相応の苦心を

     積んでいるのだという同情心に釈迦は誘っているのでしょうか?
 
 
■■第10-8日  Vol.258
 
 多聞にして智慧ありと現じ
 
  【五百弟子受記品第八】
  (五十一~五十六行)
 
■■今日の一偈一句
 
  モ ワレグソク   シュジュ ゲンケ ジ ト   シュジョウ コ  キ  モノ ココロ スナワ 
  若し我具足して 種種の現化の事を説かば 衆生の是れを聞かん者 心に則
 
   ギワク イダ   イマコ フルナ   ムカシ センノク ホトケ オイ ショギョウ ドウゴンシュ
  ち疑惑を懐かん 今此の富樓那は 昔の千億の佛に於て 所行の道を勤修し
  
   ショブツ ホウ センゴ ムジョウエ モト   モッ  ショブツ ミモト オイ  デシ カミ
   諸佛の法を宣護し 無上慧を求むるを爲て 諸佛の所に於て 弟子の上に
  
  コ   タモン   チエ    ゲン ショセツ オソ トコロ     ヨ シュ   カン
  居し 多聞にして智慧ありと現じ 所説畏るる所なくして 能く衆をして歡
  
  ギ    イマ カツ ヒケン      モッ ブツジ タス
  喜せしめ 未だ曾て疲倦あらずして 以て佛事を助く
 
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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 もし我として満たされた具足を見せて 様々の現化の事(げんけのじ:生活の
 
 全過程・行為、現実化された生活)を説けば 衆生の中でこれを聞く者は 心
 
 にほぼ疑惑を懐くであろう 今この富樓那は 昔の千億の佛の所に於て 所行
 
 の道(しょぎょうのどう:自分なりに修めた道・世間道・凡夫道、佛などが自
 
 分で修行したところ)を勤修し 諸佛の法を宣護し 無上の智慧を求める目的
 
 に 諸佛の所に於て 弟子の中の上座を治め 多聞にありながらにして智慧あ
 
 りと表現し 所説(しょせつ:自分の意見・主張として説くところ)に恐れる
 
 所なくして 上手く衆生の中で歓喜せしめ 未だ曾て疲れ怠けを起こさずして
 
  これによって佛事を助けた
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回、富楼那への授記に関して偈をもって諸々の比丘たちへ説き始めた釈迦は、
富楼那のことを通じて佛が理解させたい方便説法について述べていました。
 
そのために富楼那の用いる方便は例えば小乗を説くように見せかけて実には大乗
へと上手く誘導していくといった方法であり、それも富楼那の場合は内面には秘
密に菩薩の所行を隠しつつ、外交的には声聞であると和ませて説法するのである
と釈迦は説明しており、釈迦族の弟子としてはこのような方便を用いて衆生を済
度しているとのことでした。
 
さて、今回はその偈の続きとなりますが、もしも我はすべてを完璧に満たした者
であるとして、本来の真実の身の上が様々な現実化されている事実を説けば、こ
れを聞く衆生のほとんどはすぐにも疑惑を懐いて信じようともしなくなってしま
うだろうということです。
 
今居るこの富楼那は、前世大昔の千億の佛の所に仕えて、自分なりの修行の道を
勤めて修め、諸佛の法を宣説することで護持し、無上の智慧を求める目的を持っ
て、諸佛の所に於てはその弟子の中でも上位第一を占め、多聞な身でありながら
も智慧があると表現し、自分の意見や主張を説くところに恐れる所ないままに、
正しく衆生を歓喜させ、未だ曾て疲れや怠けの心を持つことなく、そのまま佛事
を助けてきたのだと釈迦は説明しました。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:説法するに、実際の一般の衆生は立派に良く見せようとする説法者の
     荘厳を嫌う傾向にあるということでしょうか?
 
その謎2:富楼那のような釈迦族の弟子たちは皆、説法するにはそれ相応の苦心
     を積んでいるのだという同情心に釈迦は誘っているのでしょうか?
 



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法華経 序品第一

 

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10-8

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コメント: 6
  • #1

    安田 和正 (土曜日, 07 2月 2015 22:41)

    「バランスこそ真実の生き方」

  • #2

    ぶっけん (木曜日, 09 2月 2017 20:37)

    訓練の量は計り知れず、仏教の修行は一生涯では終わりません。
    過去の人生で既に経験したものを含めて、苦しみを半分にするために、私自身は他人を考慮することです。

  • #3

    ぶっけん (火曜日, 09 10月 2018)

    悪い噂はすぐ流行る。
    しかし、その真相は必ず曲がりくねり続けたまま、細くて長いだけだ。

  • #4

    ぶっけん (火曜日, 09 10月 2018 17:32)

    真実は永遠の誓い

    それは、普遍な広がり

  • #5

    ぶっけん (火曜日, 09 10月 2018 17:33)

    四諦(苦集滅道)の法とは、現代の若き町内自治役員そのもの。
    若いうちに道は築かれる

    しかし、まだ歩めない

  • #6

    ぶっけん (火曜日, 09 10月 2018 17:35)

    私は今日、報恩講を聞くためにお寺へ参拝してきました。
    親鸞聖人の教えは難しいのですが、講義の住職の方から33年前の日航ジャンボ機事故で墜落時の機内で家族にために書かれた遺書の記事内容をそのまま読み上げてもらいました。

    後に残される家族に宛てた殴り書きの男性のメモ書き遺書の真実が痛ましいほど心に伝わってきました。
    この遺書が墜落現場から見つからなかったら遺族はどのような状況で亡くなったかいつまでも解らないままです。

    真実が伝えられるということは本当に大切なことだと知りました。
    真実はどんなことであっても尊い。
    私達人間同士の真実、それこそが親鸞聖人の教えだったのではないでしょうか?

    ところで、浄土真宗は阿弥陀仏の教えであることは近年になってそれが常識かのように知られるようになりましたが、私が子供だった頃、親鸞聖人や日蓮聖人の名前は知ってましたが、阿弥陀様は聞いたことがありませんでした。
    まして、お釈迦様の存在すらぼやけていたものでした。

    それら実在したという個々の仏様は真実の記録が現代ではほとんど乏しかったのでしょう。
    計り知れない諸仏への報恩、それが親鸞聖人の教えであったようです。