第9-15日 Vol.238  我等 昔より已來 【従地涌出品第十五】(五十一~五十五行) 

法華経 従地涌出品第十五


★★ きょうの謎!
 
その謎1:この品の最初に示してある「他方の国土の諸の来れる菩薩摩訶薩の八恒

     河沙の数に過ぎたる」の八恒河沙の菩薩摩訶薩と、今回の弥勒菩薩と共

     に居る八千恒河沙の諸の菩薩衆は、八と八千の違いがありますが、  

     ひょっとしたら同じ菩薩ではないのではないでしょうか?
 
その謎2:弥勒菩薩は序品で登場していた以来、今回ここでやっと再登場したよう

     ですが、ここでの八千恒河沙の諸の菩薩衆とは弥勒菩薩の本来の眷属な

     のでしょうか? 
 
 
■■第9-15日  Vol.238
 
 我等 昔より已來
 
  【従地涌出品第十五】
  (五十一~五十五行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ソ トキ  ミロクボサツオヨ   ゴウガシャ モロモロ ボサツシュ ミナコ ネン  ナ  ワレラムカシ 
 爾の時に彌勒菩薩及び八千恒河沙の諸 の菩薩衆、皆是の念を作さく、我等昔
 
   コノカタ カク ゴト ダイボサツマカサツシュ ジ  ユジュツ  セソン ミマエ ジュウ ガッショウ
 より已來、是の如き大菩薩摩訶薩衆の地より涌出して世尊の前に住して、合掌
  
  クヨウ  ニョライ モンジン       ミ  キ   トキ ミロクボサツマカサツ    
 し供養して如來を問訊したてまつるを見ず聞かず。時に彌勒菩薩摩訶薩、八千
 
 ゴウガシャモロモロ ボサツトウ ココロ ショネン シ  ナラビミズカ ショギケッ   ホッ   ガッ
 恒河沙の諸 の菩薩等の心の所念を知り、並に自ら所疑を決せんと欲して、合
 
 ショウホトケ ムカ        ゲ モッ ト  モウ
 掌し佛に向いたてまつりて、偈を以て問うて曰さく

 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に弥勒菩薩及び八千恒河沙の諸々の菩薩衆は、皆このように思った、我等
 
は昔よりこれ以来、このように大菩薩摩訶薩衆であって地中より涌出して世尊の
 
前に現れて、合掌し供養して如來を問訊奉ったことを見たことも聞いたこともな
 
い。同時に弥勒菩薩摩訶薩は、八千恒河沙の諸々の菩薩等の心にある思いを知り、
 
並びに自らに持つ疑惑を解決したいと思って、合掌して佛に向いたてまつりて、
 
偈を用いて質問して申し上げた。
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回、地涌の菩薩たちのお世辞交じりに偈を交歓することで嬉しく隨喜できまし
たという釈迦への感謝の讃めに対し釈迦は、とても上手く如來に対して隨喜の心
を起こせたと言って、讃め返しました。
 
今回は、釈迦と地涌菩薩のその讃め合いのやり取りを聞いていた弥勒菩薩及び八
千恒河沙数の諸々の菩薩衆は、皆が揃えてこの同じ念を持ちました。
 
『我等は昔よりこれ以来、このような大菩薩摩訶薩の大衆が地中より湧き出でて
世尊の面前に集まって、合掌し供養して如來のことを問訊しているなどを見たこ
とも聞いたこともない』と。
 
同時に弥勒菩薩摩訶薩は八千恒河沙の諸々の菩薩等の今の心にある念を知り、並
びに自らも持ち得る心の疑惑を解決したいと願い、合掌して佛に向い合せて、偈
を用いてその疑問を掛け合いに申し始めました。
  
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:この品の最初に示してある「他方の国土の諸の来れる菩薩摩訶薩の八
     恒河沙の数に過ぎたる」の八恒河沙の菩薩摩訶薩と、今回の弥勒菩薩
     と共に居る八千恒河沙の諸の菩薩衆は、八と八千の違いがありますが、
     ひょっとしたら同じ菩薩ではないのではないでしょうか?
 
その謎2:弥勒菩薩は序品で登場していた以来、今回ここでやっと再登場したよ
     うですが、ここでの八千恒河沙の諸の菩薩衆とは弥勒菩薩の本来の眷
     属なのでしょうか? 
 



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法華経 序品第一

 

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9-15

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コメント: 3
  • #1

    安田 和正 (火曜日, 20 1月 2015 00:07)

    弥勒菩薩の正体は果たして他方の菩薩なのでしょうか?

  • #2

    ぶっけん (土曜日, 17 9月 2016 12:22)

    実は宗教と政治の合流はとても難解なのですよね。法華経の中で他国からやってきた弥勒菩薩は釈迦の娑婆国の中でぜひ法華経を守るための普及をしたいと願い出たら、釈迦は自国にはすでに多くの菩薩が居るから弥勒の協力は必要ないと一旦断ったのです。
    しかし、釈迦はその弥勒に対し釈迦のすぐ次に仏に成るという、つまり釈迦仏の座を引き継がす授記をしていたのです。そして、弥勒へは鎧を着て身を固めるよう戒めることを教化したのです。
    これは何かといえば、他国から来た弥勒へは娑婆国内で悪と戦って勝てと釈迦は命じているのです。悪との戦いに法華経は必要ない・・宗教と国の保守の関係にはこういう難しさがあるのです

  • #3

    ぶっけん (月曜日, 15 1月 2018 12:52)

    弥勒菩薩を筆頭に他方の国土から釈迦の娑婆国土へやって来た菩薩集団は、釈迦により娑婆世界での法華経の普及を最初に阻止されました。
    それはどういう意味になるのでしょう?
    これはやはり、仏教修行者の在り方として神仏中心としての個人なのか、それとも衆生同士が合同で神仏へ奉仕することなのかの微妙な違いのことだと考えられるのではないでしょうか。

    ところで、仏教では各々の国ごとに別な各々の仏が存在しているとしています。
    その点でどうやら、キリスト教信者には国境の隔たりはあまりなく、仏教にはあるという感覚が理解できると思います。
    ですから、キリスト教側から仏教側へと聖書普及に行くということは通常はあり、その逆はあまりなかった歴史が少し理解できてくると思います。
    そのようなことからその違いが前品の安楽行での行処・親近処の違いではないかと理解できてくると思うのですが?

    とにかく、神仏中心の修行か、それとも衆生中心の修行か、そのどちらが優先されるべきなのかはとても難しい問題です。
    ところで今回、最初釈迦に阻止された他方国土の弥勒菩薩はいずれ釈迦仏の引継ぎ者としてなぜか指定されていることになったのです。
    これらの謎は、代表的な文殊師利菩薩と弥勒菩薩の修行の在り方には違いがあって、支持層の菩薩集団がどちらの菩薩へと支持率を変動させていくかに大きな理由があると考えられそうです。

    (ぶっけん安成)