第9-8日 Vol.231  我が弟子是の如く 方便して衆生を度す 【五百弟子受記品第八】(四十七~五十一行)

法華経 五百弟子受記品第八


★★ きょうの謎!
 
その謎1:この釈迦の方便くどいような偈の説法は、富楼那は通常より他から卑屈

     に見られがちで、特に懈怠のある弥勒菩薩のような同じ修行者に虐めら

     れやすいために、健気な富楼那を救済する意味も含まれているのでしょ

     うか?
 
その謎2:富楼那は言われた通りに何も疑念せず素直に菩薩になる利口な弟子であ

     るため、釈迦こそあえて方便して比丘たちへ富楼那は菩薩であることを

     秘密にしているのだと教えているのでしょうか?
 
 
■■第9-8日  Vol.231
 
 我が弟子是の如く 方便して衆生を度す
 
  【五百弟子受記品第八】
  (四十七~五十一行)
 
■■今日の一偈一句
 
  ムリョウ シュ ドダツ  ミナコトゴト ジョウジュ    エ    ショウヨクケダイ  イエド 
  無量の衆を度脱して 皆悉 く成就することを得せしむ 小欲懈怠なりと雖
 
    ヨウヤ マサ サブツ     ウチ ボサツ ギョウ ヒ  ホカ コ ショウモン   ゲン
  も 漸く當に作佛せしむべし 内に菩薩の行を秘し 外に是れ聲聞なりと現
 
    ショウヨク  ショウジ イト    ジツ ミズカブツド キヨ  シュ  ドク  シメ
  ず 少欲にして生死を厭えども 實には自ら佛土を淨む 衆に三毒ありと示
 
    マタジャケン ソウ ゲン ワ  デシカク ゴト  ホウベン シュジョウワタ
  し 又邪見の相を現ず 我が弟子是の如く 方便して衆生を度す
 
 
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
 
____________________________________
 
  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
____________________________________
 
 このように無量の衆生を度脱して 皆ことごとく佛法成就することを得させる
 
 のだ 小欲で懈怠(けだい:怠け怠る)を生じる者であるといえども 徐々に
 
 當に作佛させるのである 内には菩薩の行を秘めて 外にはこれぞ声聞である
 
 と現わしている 少欲にして生死を惜しんで嫌って見せようとも 実には自ら
 
 佛土を淨めているのである 衆生に三毒あると言っては 又邪見の相すら自ら
 
 現わす 我が弟子とはこのように 方便を用いて衆生を済度するのだ
 
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
 
____________________________________
 
  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
____________________________________
 
前回、釈迦は富楼那へ授記した内容を再度偈にして、諸々の比丘たちへ説き始め
ました。
 
前回までの偈の内容は、佛子たる者の実際に行ずる佛道は、衆生の気持ちを良く
理解することであり、そして解かり易く上手く理解を得させるための便宜上の方
便をしっかり学ぶことなのであり、思考や論議を戦わせようとする修行ではない
ということを教えました。
 
それ故に一般の大衆の正直な気持ちとは、大乗の教えを恐れるために実際には小
乗を望んで願っているということを知らなければならず、そのためには一旦、教
える諸々の菩薩は小乗を説く声聞や縁覚であるかのようにその身をあえて変えて
現れて見せることで、小乗であるように方便して大乗を説いているとのことでし
た。
 
さて今回の続きの偈は、
 
そのように方便して小乗を願う衆生を上手く誘導することにより、無量の衆生を
度脱して、すべて皆成佛へと成就させているということであり、たとえ少欲で怠
け易い弥勒菩薩に似た衆生であっても長らく時間は掛かって徐々にではあるが必
ず成佛できるようにするのである。
 
それは内面には菩薩の所行であることを秘密に隠しつつ、外交的には声聞である
として現わし、少欲であるが故に生死を惜しんでは嫌なものだと飽きれて見せて
いても、実には自ら佛土を浄める者なのである。
 
また、これら衆生には三毒が有って大変けしからんと脅かしておいては、また自
らは邪見であるかの相を現わしているといった、釈迦族の弟子たちはこのように
して方便を用いて衆生を済度しているのだと説いています。
 
∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴∴
 
____________________________________
 
  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
____________________________________
 
まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:この釈迦の方便くどいような偈の説法は、富楼那は通常より他から卑
     屈に見られがちで、特に懈怠のある弥勒菩薩のような同じ修行者に虐
     められやすいために、健気な富楼那を救済する意味も含まれているの
     でしょうか?
 
その謎2:富楼那は言われた通りに何も疑念せず素直に菩薩になる利口な弟子で
     あるため、釈迦こそあえて方便して比丘たちへ富楼那は菩薩であるこ
     とを秘密にしているのだと教えているのでしょうか?
 


ご案内

法華経 序品第一

 

★★ 今日も、お読みいただきありがとうございました ★★
 
本日品の続き解明文、【今日の謎!シリーズの答え、解説など詳細満載】
 4. 今 日 の 知 識 !  (道) 5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
 6. 今 日 の 振 返 り ! (脱)
は、有料メールマガジン『ぶっけんの毎日ホッ法華経!DM328』のご購読でお読みいただけます。どうぞご活用ください
 
購読料:月々¥840円(消費税込み)・12ヶ月完成シリーズ
ご購読希望の方は、「発行メールマガジン・SNSのご紹介」ページ からお申し込みください。 

 上記ブログをお読みになった感想、ご案内への問い合わせ等、どんなことでも構いません、下記フォームに記載の上、送信してください。🌷このメッセージフォームでの記載内容は公開されません。公開用掲示板へのコメント投稿の場合はさらに下段のコメントフォームの方からお送りください。>

メモ: * は入力必須項目です

9-8

コメントをお書きください

コメント: 2
  • #1

    安田 和正 (火曜日, 03 2月 2015 23:52)

    偽りの姿もまた方便のうち。

  • #2

    ぶっけんの世間の風だより (月曜日, 08 1月 2018 10:57)

    驚くことに釈迦の弟子は皆、方便での説法を上手くならなければならない。
    方便とはその場その場で救済する相手次第の状況や立場に合わせた導き方である。
    つまり、行き当たりに直面した方便である。

    (ぶっけん安成)