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第7-4日 Vol.172  窮子、疾く走つて去りぬ 【信解品第四】(三十四~三十四行)

法華経 信解品第四


★★ きょうの謎!
   
その謎1:窮子が父親に強烈な恐怖を抱いたというのは、前品の舍利弗が釈迦を最初魔の佛

     に思えたことに等しい喩えなのでしょうか?
 
その謎2:豪華さに対し畏怖の念を懐くのは、まだこの世の方便を知らないことに関係して

     いるということでしょうか?
 
 
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■■第7-4日 Vol.172
 
 窮子、疾く走つて去りぬ
 
  【信解品第四】
  (三十四~三十四行)
 
■■今日の一偈一句
 
 グウジチチ ダイリキセイ  ミ  スナワ ク フ イダ   ココ ライシ     ク   ヒソ
 窮子父の大力勢あるを見て、即ち恐怖を懐いて、此に來至せることを悔ゆ。竊かに
 
 コ  ネン ナ   コ アルイ コ  オウ アルイ コ  オウ ヒト    ワ ユウリキ  モノ ウ
 是の念を作さく、此れ或は是れ王か、或は是れ王と等しきか。我が傭力して物を得
 
    トコロ アラ  シ  ビンリ オウシ    シリキトコロ   エジキエヤス      モ
 べきの處に非ず。如かじ貧里に往至して、肆力地あつて衣食得易からんには。若し
 
 ヒサ  ココ ジュウ  アルイ ヒッパク  シ   ワレ   ナ     コ  ネン ナ オワ
 久しく此に住せば、或は逼迫せられ強いて我をして作さしめん。是の念を作し已つ
 
   ト  ハシ  サ
 て、疾く走つて去りぬ。
    
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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窮子は父の大きな勢力ある状況を見て、たちまちに恐怖を感じて、ここに来てしまっ
 
たことを後悔しました。覚られないように秘かにこのように思いました、これはもし
 
かしたらこれが王か、或いはこれは王と等しきか。我の雇われ能力にして物を得べき
 
場所ではない。やはり貧しい里に引き返して、自分の力に見合った衣食を得るほうが
 
容易いではないか。もしとても長くこの場に務めることになったとすれば、もしかす
 
れば逼迫(ひっぱく:行き詰まって余裕のなくなること)させられ強制的にも我を酷
 
使して働かせかねない。このように思えてしまうや否や、一刻も早くその場から走っ
 
て逃げ去ろうとしたのでした。
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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前回、窮子は偶然にも父親の住む所へたどり着いたのでしたね。
そして、窮子はその財宝家となっている家主を父とは感付かず、目を見張るようにそ
の豪華な暮らしぶりを垣間見たのでした。
 
そして今回は、その窮子のはじめて見るこの家主の財力の豪勢なこと、まるで王と変
わらぬ様でもあるが、いざこの家主の所へ物乞いのために偶然たどり着いた運命かと
考えると、それまでの自分がその日働きで暮らしてきたことと、今ここで目の当たり
にするあまりの豪華さとのギャップに、これは人の心を持たない鬼か悪魔のようにも
感じれてきたのでした。
 
窮子はこのままここに居て見つかったら大変だ、どんな奴隷のような働きをさせられ
るかわからないと恐れるや不や、とっさにその場から走り逃げたのでした。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:窮子が父親に強烈な恐怖を抱いたというのは、前品の舍利弗が釈迦を最初
     魔の佛に思えたことに等しい喩えなのでしょうか?
 
その謎2:豪華さに対し畏怖の念を懐くのは、まだこの世の方便を知らないことに関
     係しているということでしょうか?
 


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法華経 序品第一

 

★★ 今日も、お読みいただきありがとうございました ★★
 
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コメント: 1
  • #1

    ぶっけん (土曜日, 04 11月 2017 12:38)

    【大金持ちと悪魔の関係について】

    大金持ちになりたい人は悪魔を大好きなのではなく、取りつかれやすいから大金持ちに成っていくのでしょうね。
    それに対し、悪魔と共存の暮らしなどとんでもない、それだけはどんなにお金を得れる条件があろうと絶対避けたいと願う窮子と、その反転に大富豪に成れたが心許ない父親との葛藤の関係が今日の信解品に描かれているのです。
     
    これは大弟子たちが自ら創作して釈迦へ提供した一つの喩え話なのですが、大弟子にすればこの物語の窮子が大弟子たちの立場で大富豪の父が釈迦仏であると喩えました。
    しかし、大弟子たちもいつかは釈迦仏のように世の中の悪魔を抜き取って大富豪に成れることへの憧れを示しているつもりなのでしょう。
     
    このテーマに対し、大富豪役としての釈迦仏なしには大弟子だけでその決意には至れなかった情けなさがあったのです。
    それに対し、釈迦仏は大弟子たちへ最終的に自ら目指すことを誓わせることになるのです。
     
    「サイの角の如く一人歩め」
    この言葉が昨日の文化の日、私が全国良寛会の小島副会長の講演会でお聴きできた釈迦の教えの本筋であるということです。
     
    (ぶっけん)