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第4-7日 Vol.91  佛智は、無量劫を通逹す 【化城諭品第七】(十四~二十二行)

法華経 化城諭品第七

 
★★ きょうの謎!
   
その謎1:

 

大通智勝佛の歴史の説明を修行者の比丘たちだけにしているのはなぜでしょうか?
    
その謎2:

 

三千大千の大切な国土の歴史をすべて磨り潰してドロドロの墨にして使い切るという恐ろしいほどの豪快さの比喩の意味はなぜでしょうか?
   
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■■第4-7日 Vol.91
   
 佛智は、無量劫を通逹す
 
 【化城諭品第七】
 (十四~二十二行)
  
 
■■今日の一偈一句
 
  ワレ カコセ   ムリョウムヘンコウ オモ   ホトケリョウソクソン    ダイツウチショウ ナヅ ヒト
  我過去世の 無量無邊劫を念うに 佛兩足尊いましき 大通智勝と名く 人
 
     チカラ モッ サンゼンダイセン ド ス   コ モロモロ  ジシュ ツ   ミナコトゴト
  あつて力を以て 三千大千の土を磨って 此の諸 の地種を盡くして 皆悉
 
   モッ スミ    セン コクド ス   スナワ イチ ジンテン クダ  カク ゴトテンデン
  く以て墨となし 千の國土を過ぎて 乃ち一の盡點を下さん 是の如く展轉
 
   テン   コ モロモロ ジンモク ツ    ゴト  カク ゴト モロモロコクド  テン
  し點じて 此の諸 の盡墨を盡くさんが如し 是の如き諸 の國土の 點ぜ
 
    テン    トウ  マタコトゴトマッ チリ    イチジン イッコウ    コ モロモロ
  ると點ぜざると等を 復盡く抹して塵となし 一塵を一劫とせん 此の諸 
 
   ミジン カズ  ソ コウマタコ   ス    カ ホトケ メツド コノカタ カク ゴト ム
  の微塵の數に 其の劫復是れに過ぎたり 彼の佛の滅度より來 是の如く無
 
  リョウコウ   ニョライ ムゲチ  カ ホトケ メツゴ オヨショウモン ボサツ シ     イマ
  量劫なり 如來の無礙智 彼の佛の滅度 及び聲聞・菩薩を知ること 今の
 
  メツド ミ  ゴト  モロモロ ビクマサ  シ    ブッチ キヨ   ミミョウ  ムロ
  滅度を見るが如し 諸 の比丘當に知るべし 佛智は淨くして微妙に 無漏
 
  ムショゲ    ムリョウコウ ツウダツ
  無所礙にして 無量劫を通逹す    
 
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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我は過去の世の 無量無辺劫の長き時間を憶うに 彼の偉大な兩足尊がいたこと
 
を伝えたい その名は大通智勝という ある人が全力を尽して三千大千の国土を
 
磨り潰し このさまざまな土地の種類を磨り盡くして そのすべてを集めて墨を
 
作り 千の国土を過ぎた辺りで はじめてその一滴の墨点をこぼす このように
 
して転々と点を付けて行き この墨のすべてを使い切るまで続けたに等しい こ
 
のようにして諸々の国土のうち 点をこぼしたこばさないに関わらず これらを
 
またすべて磨り砕いて塵の山となす その一つの塵を一劫とみなす この諸々の
 
微塵の数量に その大通智勝佛のいた頃からの劫の長さはこれに匹敵あるいはそ
 
れを超えるのだ 彼の佛の滅度より現在まで このとおりに無量の劫が過ぎ去っ
 
ている 如來の無礙智(むげち:あらゆる障害が無くすべてに悠々としている実
 
力)のこと 彼の佛の滅度のこと 及びその当時の声聞・菩薩を知ること 今の
 
時代に滅度したと何等変わらないくらいに鮮明な記憶なのである 諸々の比丘た
 
ちよはっきり知るべきだ 佛の知恵は汚れなく微細に巧妙であり 無漏無所礙(
 
むろむしょげ:煩悩をすべて解決していて特に障害ある所が無い)であり 無量
 
劫の長さをすべて見定めているということを
       
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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今回の釈迦の説いた偈は、前回の本文のままの繰り返しです。
   
ただし、大昔の大通智勝佛を詳しく教えたいのか、それとも釈迦自身が大昔のこ
とでも鮮明に思い出して説明できるということをはっきり知らしめたいのかが、
どちらかが解からないような偈となっているように思えます。
   
これは、釈迦は比丘たちに対し、ただ聞くだけで自分勝手な空想にならないよう
に、今、一体誰から、どういう教えを説かれているのかにしっかり集中させよう
としているのではないでしょうか。
  
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:大通智勝佛の歴史の説明を修行者の比丘たちだけにしているのはなぜでしょうか?

 

⇒ かなり古い時代から存在した大通智勝仏は更にとても長い時代を君臨した稀に見る豪快な仏だったようです。そして、大通智勝仏はかなり昔にすでに滅盡したのですが、その影響力はすぐ昨日のことのように思い出されると釈迦は言っています。そのために現在にも大通智勝仏の過去の豪快さは今でも存在していると同じように多くの衆生の心にはまだまだ深く浸透しているということらしいです。そのために実際の釈迦の声聞弟子などの重要地位にはあらためて教える必要性のない大通智勝仏の伝説も、まだ修行の浅い比丘たちには入門用として最も解かり易く理解させることができるからではないでしょうか。
    
   
その謎2:三千大千の大切な国土の歴史をすべて磨り潰してドロドロの墨にして使い切るという恐ろしいほどの豪快さの比喩の意味はなぜでしょうか?

 

⇒ 墨にするという意味から何か思いつくことはないでしょうか?長い歴史は何度も何度も塗り替えられて、それが綴られては消され、また新たな歴史が綴られ続けてきているのです。つまり、歴史とは几帳面に積み重ねられて成り立っているわけでもなくすべてが消滅するほど完全崩壊を繰り返して記録は長い歳月かけて作り直され続けているのです。計り知れなく何度もリサイクルを繰り返しているヘドロのような歴史の大地を固めてはその都度に歴史は築かれ記録されてきたのです。
 



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法華経 序品第一

 

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4-7

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コメント: 3
  • #1

    ぶっけん (木曜日, 06 8月 2015 21:36)

    「過去佛の長く築いた所業は蜃気楼の如く」

  • #2

    ぶっけん成安田 (木曜日, 06 4月 2017 19:40)

    古い時代にヒットした巨大さは、それが滅ぼうと今でも昨日のように覚えているということですね。
    はっきりこれは時代が古いのだと教えたいのがお釈迦様であることをしかと知るべきことであるのでしょう。

  • #3

    ぶっけん成安田 (木曜日, 06 4月 2017 19:59)

    計り知れないほどに古代から栄えた正しき導きは、それを知ることがとても尊きことでもあるでしょう。
    そのように、この化城品は最初と思えるほどの古い仏のことを伝えていて、他の品よりもかなり長い経文でできていますが、それだけに重要極まりない過去の教えの事実が描かれているものと思います。
    しかし、その過去の仏とは別な釈迦仏が本当に教えたいのはこれからの生き方なのです。
    これからのことなのですから、古さに比較して必ず新しくなければならないのです。
    そのこれからの比較のために示したのが過去最大に強烈な仏と思える大通智勝仏の巨大さだけを伝えているのがこの化城諭品だと考えて大正解です。