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第3-3日 Vol.59  必ず大乗を以て度脱せらる 【比喩品第三】(八~十五行)

法華経 譬喩品第三

 
★★ きょうの謎!
 
その謎1:舎利弗へ釈迦は、なぜすぐに大乗を教えないのでしょうか?
   
その謎2:大乗の教えは、先ずは三乗で説く方便隨宜の説法をしっかり学んだ者
     でなければ得れないということなのでしょうか?
 
 
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■■第3-3日号 Vol.59
  
 必ず大乗を以て度脱せらる
 
  【比喩品第三】
  (八行~十五行)
 

 
■■今日の一偈一句
 
 ユエ  イカ  モ  ワレラ ショイン ア ノクタラ ミャク ボダイ ジョウジュ   ト
 所以は何ん、若し我等、所因の阿耨多羅三藐三菩提を成就することを説きたも
 
   マ   カナラ ダイジョウモッ ドダツ      エ   シカ ワレラ ホウベンズイギ
 うを待たば、必ず大乗を以て度脱せらるることを得ん。然るに我等方便隨宜の
 
 ショセツ サト     ハジブッポウ キ  タマタマスナワ シンジュ シユイ  ショウ ト
 所説を解らずして、初め佛法を聞いて遇 便ち信受し、思惟して證を取れり。
 
 セソン ワレムカシ コノカタ ヒネモスヨモスガラツネ ミズカコクシャク   シカ イマホトケ シタガ
 世尊、我昔より來、終日竟夜 毎に自ら剋責しき。而るに今佛に從いたてまつ
 
    イマ キカ  トコロ ミゾウ  ホウ キ  モロモロ ギケ ダン  シンニタイネン
 りて、未だ聞ざる所の未曾有の法を聞いて諸 の疑悔を斷じ、身意泰然として
 
 ココロヨアンノン     エ   コンニチスナワ シ    シン コ ブッシ   ブック  ショウ
 快く安穩なることを得たり。今日乃ち知んぬ。眞に是れ佛子なり。佛口より生
 
  ホウケ  ショウ   ブッポウブン エ   ソ トキ  シャリホツ カサ  コ  ギ ノ
 じ法化より生じて、佛法の分を得たり。爾の時に舎利弗、重ねて此の義を宣べ
 
   ホッ   ゲ ト   モウ
 んと欲して、偈を説いて言さく
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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なぜかと言えば、もし我らが、各々自身としての阿耨多羅三藐三菩提を成就する
 
方法を説かれる時を待つならば、必ず大乗を用いた教えを得ることになっていま
 
す。それなのに我らは方便隨宜の今の我らなりの説法を理解せぬままに、初めて
 
佛法を聞いただけで偶然にも容易く一念を得たかのように思い上がった気持だけ
 
を大切に修行を納めてきました。世尊、我は昔から今まで昼も夜も一日中ずっと
 
常に自分自身を責めているしかありませんでした。ところが今佛に従いたてまつ
 
りて、未だかつて聞いたこともないありがたく貴重な法を聞いてさまざまな疑念
 
を断ち切り、心身ともに堂々と爽快に落ち着いて自分らしく判断できるようにな
   
れました。今になってはじめて知りました。間違いなくこれぞ佛の子であると。
 
佛の御言葉で生まれ変わり法に自立して生まれ変わり、佛法の端くれを得るに至
 
れました。その時に舍利弗は、重ねてこの誓いを宣言したいと思い、箇条の詩を
 
説いて演べはじめたのだった
       
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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舍利弗は、釈迦の説得する勘違いの意味を理解できたことに関して、今までの謝
罪を兼ねてこの法華経を学ぶ本当の義に対し釈迦に確認をはじめました。
   
釈迦が将来、舍利弗たちに本当の阿耨多羅三藐三菩提を得させようとする時には、
今まで小乗に拘った修行をしてきた舍利弗たちに対し、釈迦は必ず大乗の教えの
みを用いて説くはずであることが解かったと舍利弗は伝えています。
   
ですから、今までの大乗の教えとは異なる方便隨宜の法を施す釈迦に対し、舍利
弗たちはその調整用の慣らし説法であったことに対し我慢できず、待ちきれずに
早く一佛乗の大乗を説いてくださいとせがむ姿勢に釈迦の機嫌を損ねてしまって
いたことが解かったらしいのです。
   
また、舍利弗たちにすれば、方便隨宜の説法は一佛乗の前段階の説法、いわゆる
入門編であるから、それを一通り概略でも聞けば、それですでに一佛乗の格へと
進出できたものと早合点したのでしょう。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
   
その謎1:舎利弗へ釈迦は、なぜすぐに大乗を教えないのでしょうか?
   
その謎2:大乗の教えは、先ずは三乗で説く方便隨宜の説法をしっかり学んだ者
     でなければ得れないということなのでしょうか?
 

『法華経を引き継いだ日本の武士と建築組織』  譬喩品第三その3


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法華経 序品第一

 

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コメント: 4
  • #1

    ぶっけん (金曜日, 29 5月 2015 00:41)

    『法華経を引き継いだ日本の武士と建築組織』

  • #2

    ぶっけん (水曜日, 02 11月 2016 22:59)

    実在した王子釈迦が仏教に君臨し始めた頃の、その長く旧体制として続いてきていた当時の状況は、仏教界においてはまだまだ阿羅漢という最高権威地位者が教えの主流だったわけです。その旧来の阿羅漢の根強い教えと釈迦の教えの違いとは釈迦滅後、五百年、或いは千年経った後に編纂された法華経から読み取れます。
    その後、釈迦の教えは広く普及したと云われていますが、本当に今通常に普及している教えとは釈迦以前の旧来の阿羅漢の教えが主流と言わざるを得ません。それが今なのです!

  • #3

    ぶっけん (水曜日, 02 11月 2016 23:10)

    「欲」とは釈迦が発見し出した原因なのだ。

  • #4

    ぶっけん成安田 (木曜日, 02 3月 2017 18:44)

    不可思議な神や仏の力がとても有難いと思えることがしばしばあります。
    やはり、心掛け次第で一日一日の違いが出てくるようです。
    そのように考えると、ただ一日の大切さというものがかなり重大なものに思えてきますね。
    今年の地域安全防犯標語に「近い道は、遠い道」というような表現が出てました。
    なかなかそうだと思えました。暗い道、狭い道こそ裏道で早道だと合点しやすい心理は、標準な道は遠回りだと考えがちになっているのかもしれませんね。
    複雑なのか単純なのか、それを見抜けることが今の時代はだんだん難しくなってきているように思えます。
    そのためには、正確にどちらも測って見ようなんて呑気な試し願望に執着してしまいませんか?
    しかし、それでは今のスピード化時代についていけないというような焦りの心理が、標準の道を選ばせるというのも、ちょっといい考えなのかもしれませんね。