■■第1-10日
菩薩と法師
【法師品第十】
(一行~六行)
■■今日の一偈一句
ソ トキ セソン ヤクオウボサツ ヨ マン ダイジ ツ ヤクオウ ナンジコ ダイシュ
爾の時に世尊、藥王菩薩に因せて八萬の大士に告げたまわく、藥王、汝是の大衆の
ナカ ムリョウ ショテン リュウオウ ヤシャ ケンダツバ アシュラ カルラ キン ナラ マゴラガ ニン
中の無量の諸天・龍王・夜叉・乾闥婆・阿修羅・迦樓羅・緊那羅・摩候羅伽・人と
ヒニン オヨ ビク ビク ニ ウバソク ウバイ ショウモン モト モノ ビャクシブツモト モノ
非人と及び比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷の聲聞を求むる者・辟支佛を求むる者・
ブツドウモト モノ ミ カク ゴト タグイ コトゴトブツゼンオイ ミョウホケキョウ ゲ ク キ
佛道を求むる者を見るや。是の如き等類、咸く佛前に於て妙法華經の一偈一句を聞
ナイシ ネン ズイキ モノ ワレミナ キ アタ サズ マサ アノク タ ラ ミャク ボダイ ウ
いて、乃至一念も隨喜せん者には我皆記を與え授く。當に阿耨多羅三藐三菩提を得
べし。
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1. 今 日 の 解 読 ! (苦)
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その時に世尊は、薬王菩薩に向けると共に八万人の菩薩大士に告げたのである、薬王
よ、汝はこの大衆の中のおびただしく計り知れないほど多くの諸天神・龍王・毘沙門
天従者で仏教守護の鬼類・帝釈天従者で仏教守護の半神・海底に住み諸神と敵対する
悪鬼・海の島林に住み姿が半人半鳥の鳥類の王・馬頭人身の姿でヒマラヤ山中に住む
半神・蛇頭人身の鬼類・人間と非人間と及び比丘(仏教修行のため出家し衣食の乏し
い男子)・比丘尼(比丘の女性)・優婆塞(仏教信者の在俗男子)・優婆夷(仏教信
者の在俗女子)たちの声聞になりたい者・辟支佛になりたい者・佛道を目指す菩薩に
なりたい者を目のあたりに見ているであろう。こような者達であろうが、熱心に佛前
に向いて妙法華経の一偈一句を聞くことにより、少なくとも一念もすぐその場で喜べ
る者には我は誰にも成仏の記を与え授けるのである。間違いなく阿耨多羅三藐三菩提
を得れるのである。
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2. 今 日 の 説 法 ! (集)
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薬王菩薩とは、序品第一の集った大衆の中でも菩薩として文殊師利菩薩や弥勒菩薩と
並んでその名が記載されているもっとも優秀な大菩薩のうちの一人です。
なお、その薬王菩薩ですが、更に、後で付け加えられたという序品第一に登場してい
る文殊師利や弥勒よりも、その序品がまだ無かった最初の法華経であるならば、数々
の菩薩大士の中では一番最初にこの品で釈迦に話しかけられている菩薩でもあるので
す。
それだけに、薬王菩薩は法華経の中で最も中心的話題となるに値する代表格な菩薩な
のです。
私たちは文殊菩薩や弥勒菩薩の名なら何となく以前からよく耳にしたことがあるので
はないでしょうか?
それに対し、なぜかこの薬王菩薩の名は誰にもあまり聞きなれてはいない名だと思う
のです。
それはなんだか妙だと思いませんか?
なぜ、この薬王菩薩の名は謎のように隠されていたのか? それには何か不思議な理
由が必ずあるはずですね。
どうやら、この薬王菩薩にこそこの法華経、或いは現存した歴史の秘密の鍵が隠され
ていることは間違いないようなのです。
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後に薬王菩薩本事品第二十三という品がありますが、本事品とは偽りのない本当の事、
つまりこの法華経に於て中核となる歴史的な大事実、或いは記念的かつ象徴的なこと
だと思えます。
わが国で鎌倉時代の法華経行者の第一人者であるといわれる日蓮聖人の名前は日本人
なら誰もが知っていると思います。
日蓮聖人は、日本にては、印度の釈迦よりももっと遥か昔から法華経を得ていたと主
張した日本を代表する大佛法行者です。
現代に於てもその日蓮聖人が滅後の未来に富士山麓に国立の戒壇堂を建設するよう命
じた遺言内容が、現代に於て「事の戒壇」かそれとも「義の戒壇」かという有名な論
議の解決が終わらないままにまだまだ長く尾を引いております。
佛法に於てこの「事」と「義」の文句は法華経の中にもしばしば出てきますが、実は
とても大事な意味が隠されてあるのです。
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この日蓮聖人もまた、その名はそれこそよく知られてはいますが、どんな佛法聖者だ
ったかということは、精々時代の武士により島流しにあった坊さんだったというくら
いしか一般には知られていないでしょう。
それくらいに仏教というものは隠し事が多くて、事実を伝えたがらない、或いは伝わ
りにくいものなのです。
たとえば、日蓮聖人と武士の間にどういう理由が生じた時代背景があったのか?
または、日蓮聖人はお寺の住職もしていたのかなど、今も尚、日蓮聖人のお寺は日本
に現存し住職も代々永遠に絶えずに引き継がれてきている現実すらほとんどの日本人
には知られてはいないでしょう。
そういった、なぜどうしてという単純で素朴な疑問をことごとく誰もが自然に知ろう
とすら考えたことがないという、それこそ相当に奇妙なことなのですよね。
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3. 今 日 の 謎 ! (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
その謎1:法師と菩薩とはどういう関係でしょうか?
その謎2:法華経の中では、偉い菩薩のほうが声聞より後で釈迦の説法を受けている
のは意味があるのでしょうか?
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4. 今 日 の 知 識 ! (道)
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佛法修行者の中では、修行の種別の違いにより法師と禅師に区分されているようです。
法師は直接に佛を信じてその佛の法を運営する責任者であり、禅師は黙して動かず主
に座禅を組んで悟りを得る先覚者です。
一般に、菩薩でないと法師には成れないと思います。それだけ法師は佛と同様くらい
な知識を習得しておく必要があるからです。
また、一概には言えませんが、おおよそ法師が菩薩で、禅師が声聞というイメージに
なるのではないかとも思えます。
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序品第一にて釈迦の大衆講義へ集った中には、一万二千人から二万人の比丘・比丘尼
衆の阿羅漢声聞と八万人の菩薩摩訶薩が居ました。
その序品第一にも阿羅漢声聞が先にその名が書かれていて、その後に菩薩が紹介され
ています。
このことから、釈迦の本当の近い弟子は声聞のほうだったと考えられるのです。
菩薩衆は同じく序品にて紹介されている参列した王や各種神々と同じく外来から聴衆
として来ている一般参加者のような立場だと考えられます。
ただし、その中でも薬王菩薩などの序品でその名が紹介されている菩薩たちは釈迦と
特に知り合っている密接な関係であって、釈迦とともに釈迦の娑婆世界に住んでいる
者たちなのです。
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そのため、菩薩たちは釈迦に対し堂々と自身の意見を投げかけたり、他人行儀な面も
あり、釈迦をそれとなく疑ってかかるシーンも多くあるのです。
ここが、声聞弟子たちの釈迦への全体忠誠の立場とはっきり異なる点です。
また、菩薩摩訶薩の摩訶薩とは菩薩の別称らしいです。
なお、摩訶とは大きいとか優秀という意味もあるらしいですが、摩訶といえば釈迦の
四大弟子のうち摩訶迦葉・摩訶迦旃延・摩訶目?連の3人は皆、摩訶が付きますね。
聞くところ、この3人は兄弟であるらしく、どうやら、この同じ摩訶とはその苗字で
あるようですね。
ということで、菩薩を摩訶薩ともいう意味は、もしかしたら元は声聞だった摩訶家の
3人を釈迦が始めて菩薩になれるように道を切り開かせたため、それまでの菩薩と区
分する為にあえて釈迦が最初に作った菩薩を意味するように摩訶薩という名が新たに
生じたのかもしれません。
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5. 今 日 の 解 脱 ! (解)
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薬王菩薩とは一体何者なのか? どうやらそれが法華経を解明するための一つの焦点
のようです。
後で付け加えられたという序品第一ですが、ここに案内係のように登場する文殊師利
菩薩と弥勒菩薩すら、もしかしたら後で中国で新たに導入された菩薩なのかもしれま
せん。
その後、日本に渡った法華経としては日本人にとって怪しいと思えることのほうが早
く流行るということも十分考えられます。
そして、釈迦の直弟子の声聞たちは常に寄り添って修行してきたわけでしょうから真
実に近い言い伝えがその後の声聞としての一族として残っていたかもしれません。
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それに対し、菩薩という声聞よりも太古の昔から存在したらしき地位は、この度の釈
迦が新たに出家して高度な修行に入る頃から、菩薩も同時に同様な時代を背景に同様
な苦行を別に平行した状態で競うように行ってきたとも考えられますね。
その菩薩の立場へも釈迦は後から解明し追いつき、追い越していったわけですから、
菩薩そのものが釈迦は新人に過ぎないという考えも実際はあったとも考えられますね。
そういう現実の実態を長く鋭く勘案して中国で正式に編纂された法華経なのですから、
登場する菩薩の描き方は中国独自の解明や発想が加わっているものと考えても良いと
思います。
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ところで、菩薩は本来釈迦の弟子ではないのではないかという発想は、私自身として
もそのような推理にようやく今回至ったばかりなのです。
一つ一つの推理の進歩にはとても大きなものがあります。
法華経は毎回読むたびに必ずまた新たな大発見があるのです。
まるで宝の地図みたいに冒険や探究心をかきたてられますね。
最初は笑わせるなあと思ったことが、いつか真剣に深呼吸させられることへと変わる
のです。笑いの種が感動の華にもなるのですね! 法華経は種も仕掛けもあるのです
から、なんと手品(てじな)でなく手本(てほん)なのです。本としてしっかり読み
ましょう。
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6. 今 日 の 振 り 返 り !(脱)
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皆さんは仕事や人生のビジョン(目的)、コンセプト(目標)を考えてみて、中々す
ぐには思い通りには行かない焦りに、あくせくした苦しみを感じたことはありません
か。
私も自分で考えただけの事業をしていた頃は一番大切なこのことがなかなか定まらず、
いつまでも悩んでいたわけです。
ところが、ある転機でこの法華経を日常にしようと思いついた時、その後すぐにもす
べてが吹っ切れていきました。
実に私たちが生きている目的は「成仏」すること、そしてそれを必ず実現できるため
の目標は「法華経」を日常とすることだったのです。
これだけで仕事や人生のすべては解決に到れるのです。
つまり、自分だけで選択する仕事や人生観とは違ったものだったのです。
仕事や人生などすべては、成仏を実現するためのアイテムに過ぎず、法華経を日常と
することの結果に過ぎないのです。
法華経を日常とすることによりそのアイテムも結果も、より重要な価値に変わってい
くのです。
なんといっても、もうすでに定まっている人類の完全なマニュアルである法華経を完
全になるまで習うことが他のどんなものにも完全に勝る成仏という目的と戦略を実際
に得る、少なくとも必ず近づくことが誰にできるのです! 法華経は頑張れば頑張っ
ただけの結果を必ず得ることができるように完成されたものなのです。
今回も読んでいただき、誠にありがとうございました。
末永くご愛読いただけますよう、今後とも何とぞよろしくお願いいたします。
(ぶっけん)
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🌸このホームページは私、ぶっけんが、毎月、1日から28日まで法華経の全28品の各1品ずつを28に分けて毎日、そして毎月その日にちの品に合わせて連続で328日(1年間)分を投稿しています。
なお、今ご覧いただいてますこのブログページは全328日分のうち最初の28日分まで各1品の全内容です。これは私が別に発行しておりますメールマガジン創刊最初の1か月分の28品(28日分)の各品の内容とそのまま同じものです。これは参考までにメールマガジンの内容の最初の28日分をこのホームページだけですべて見ることができます。つまり、毎日の全章(1.苦・2.集・3.滅・4.道・5.解・6.脱)の内容は最初の28日目までの内容をこのホームページで自由にご覧になれます。それ以降の2か月目から12か月目までの300日分の各ブログ内容は各前半部分(4~6を省いた、1.苦・2.集・3.滅)の章のみを、毎日日替わりにこのHPブログページで掲載しています。(各日のブログはほぼ毎日、SNS投稿とも連動していて便利ですので是非ともご利用ください!)
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