第1-4日 Vol.4  四大弟子、年ならびに朽邁せり 【信解品第四】(一~五行)

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■■第1-4日
 
 四大弟子、年ならびに朽邁せり
 
  【信解品第四】
  (一行~五行)
 
■■今日の一偈一句
 
 ソ トキ エミョウシュボダイ マカ カセンネン  マカ カショウ マカ モツケンレン ホトケ シタガ     
 爾の時に慧命須菩提・摩訶迦旃延・摩訶迦葉・摩訶目腱連、佛に従いたてまつりて
 
 キ  トコロ ミゾウウ ホウ   セソン シャリホツ  アノクタ ラ ミャク ボダイ キ サズ 
 聞ける所の未曾有の法と、世尊の舎利弗に阿耨多羅三藐三菩提の記を授けたもうと
 
   ケウ ココロ オコ  カンギユヤク   スナワ ザ  タ  エブク トトノ ヒトエ ミギカタ アラワ
 に希有の心を發し、歓喜踊躍して、即ち座より起つて衣服を整え、偏に右の肩を袒
 
   ミギ ヒザ ジ ツ   シン ガッショウコクグウクギョウ ソンゲン センゴウ ホトケ モウ  モウ
 にし右の膝を地に著け、一心に合掌し曲躬恭敬し、尊顏を瞻仰して佛に白して言さ
 
   ワレラ ソウ ハジメ コ トシナラビクマイ
 く、我等僧の首に居し、年并に朽邁せり。
 
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  1. 今 日 の 解 読 !  (苦)
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その時に恵命須菩提・摩訶迦旃延・摩訶迦葉・摩訶目健連、佛に従いたてまつりての
 
み聞くことのできる貴重な法と、世尊が舎利弗に阿耨多羅三藐三菩提の受記を授けた
 
もうことに有難みの心を発し、歓喜しこころ踊って、ただちに座より起って襟元を正
 
し、ひとまず右の肩を袒にし右の膝を地に着けて、一心に合掌し深く腰を曲げて恭敬
 
し、尊顔にて仰ぎ見て佛に申し上げました、我等は僧の上席に位し、年は皆同じ並び
 
にして年老い共に身体は衰えております。
 
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  2. 今 日 の 説 法 !  (集)
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ここに登場する四人の大弟子の慧命須菩提・摩訶迦旃延・摩訶迦葉・摩訶目健連は下
積修行がかなり長いためか、年老いて疲労困憊を隠し切れないといった感じなのです。
大弟子として責任重くて、それなりの品格や実力は確かにありそうですね。しかし、
意外なほどに、どんなに長く熱心に修行してもほとんど報われることがあまりなく、
大した功徳も喜びもなかったような情けなくにも感じられます。
 
四大弟子はもうそろそろ寿命をまっとうしそうなそんな状態の時になって、同じ弟子
の舎利弗が今更にして思いもよらない成仏の授記を得ることに少し驚きを隠せないよ
うに最後の力を振り絞っているっという感じなのです。
 
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  3. 今 日 の 謎 !   (滅)
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まず、今日の謎を整理して見ることにしましょう!
 
その謎1:聞ける所の未曾有の法とは方便説法のことでしょうか?
 
その謎2:右の肩を袒にし右の膝を地に着け、とは儀礼的な形式作法な
     のでしょうか?
 
 

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  4. 今 日 の 知 識 !  (道)
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聞ける所の未曾有の法の未曾有とは元々が仏教用語であって奇跡や神秘を賛嘆した言
葉らしいです。通常は字の如く未だ曾て無いという意味として未曾有の大地震、未曾
有の事件などとしてよく使われます。
 
ここで四大弟子のいう佛に従いたてまつりて聞ける所の未曾有の法とは、恐らく方便
説法の馴染みの法のことではなく法華経のことをいっていると思います。
 
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この四大弟子たちは釈迦の一番古い弟子であり釈迦が若い頃から付き添って共に修行
してきました。釈迦は35歳(30歳という説もある)で成道して以来、様々な種類
のお経や歴史上の仏に仕えて修行してきました。
 
即ち佛道に入ったばかりの頃は弟子と共に古くからの教えのオーソリティともいうべ
き佛の方便説法を中心に知識を探求していたのです。
 
そしてその後最終的に法華経に取り組み法華経こそが唯一の真実の教えであることを
悟ったのは80歳で亡くなる8年位前だったといわれているのです。
 
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ですから、この法華経で以前からの弟子達に説いている釈迦は法華経を悟った後の亡
くなる直前の状況なのであります。つまり、弟子達のとっては以前から共に理解しな
がら修行してきた方便説法が釈迦の真実の教えであると思っていたのであり、釈迦だ
けが晩年に悟った法華経のことはほとんど理解ができてませんし初めて聞く教えだっ
たのです。
 
ですから弟子たちにすればもう寿命が近い時になつて今更何てことだという気持が隠
せないのでしょう。
 
なお、目上の者に対し、右の肩をあらわにし右のひざを地に着けて何かを申し出ると
いう作法は現代でも任侠儀式などにありますね。
この勇ましくも思える作法が実際の釈迦の時代にそういう作法が形式化していたかど
うかはわかりませんが、これは脚色化された活字表現によるその場の状況や雰囲気を
リアルに伝えたいため、それを法華経に現したものとも考えたほうが良いのではない
でしょうか。
 
ですから、当時の形式的に定まっていた作法であると理解するより、弟子達が素直に
不信感があるがそれを隠さない率直な姿勢で釈迦へ問い合わせるこころの状態のこと
であると、ただ漠然と理解したほうが良いと思います。つまり、この法華経編纂者が
何を伝えたいのかを探るほうがより現実的に理解ができると思います。
 
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  5. 今 日 の 解 脱 !  (解)
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法華経が他に釈迦が説いた経典と比較してだいぶイメージが違うというのは、釈迦が
真実を悟った後か前かでは大違いであるということなのです。
 
ですから釈迦自身も法華経を悟る以前の知識からすれば真実に対するまるで無知だっ
たという大発覚を自覚しているのです。その状況がこの法華経に素直に表されている
ということを理解するのがまず大切です。
つまり、長年釈迦と寄り添った大弟子たちの戸惑いの状況からそういうことを理解し
ないと、法華経を読んでも何もわからないということになるのです。
 
この法華経は当然釈迦が編纂をしたわけではないのですが、中国人がこれを編纂した
時、実際の釈迦が最終的に法華経という新たな悟りを開くことにより当然の如く弟子
たちや民衆には混乱が生じたはずであることを考えに入れ、リアルにその状況をその
まま再現しているところに意義があり、そのような前提を理解することである意味で
は法華経はわかり易いのです。
 
この品の大弟子たちの今更冗談じゃないという感じすら表されているような経典は法
華経以外にはないと思います。通常の人間の心理として理解できるところが釈迦すら
通常に実在した人間像のようにリアルに伝わってくる真実に迫った法華経という世に
送り出した大作だったのでしょう。
今の人類のみならず衆生全般はこの法華経の実情を理解するかどうかにかかっている
といえましょう。
 
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  6. 今 日 の 振 り 返 り !(脱)
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今日の日月説法はいかがでしたか?
 
少し、釈迦が悟りを開いた時はどういう状況だったかが理解できたでしょうか? 釈
迦及び弟子達の寿命まじかになってからのいきなりの急変に、これから先どうなるの
かという焦りとユーモラスが伝わってくるようです。
 
釈迦にも間違いがあったという唖然とすると共に弟子としてそれに今後どう対応して
いくのか、思いがけないスリルとサスペンスに共々遭遇してしまったのです。
 
この後亡くなった釈迦の遺言は『変化対応せよ!』だったそうですね。果たして本当
に今の時代に釈迦の生前の教えが合致するかはわかりませんが、法華経の教えはこの
先も生き続けるのです。
 
人生は実に最後の最後までどんでん返しだと思いました。正しい道を目指すどんでん
返しは恐れなければ必ず幸せへ至る前触れです。大きな喜びを皆さん一緒に感じてい
きましょう。
 
今回も読んでいただき、誠にありがとうございました。
末永くご愛読いただけますよう、今後とも何とぞよろしくお願いいたし
ます。
 
(ぶっけん)   


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